取材=古後登志夫 構成=鈴木健一郎 写真=B.LEAGUE

Bリーグの2017-18シーズンはルーキーの活躍が目立った。滋賀レイクスターズでは高橋耕陽が急成長。昨シーズン途中に特別契約選手として入団した高橋は今シーズン、60試合中56試合に出場した。コンスタントにプレータイムは得ていたが、特にシーズン終盤にはプレーのクオリティを上げて、残留戦線で滋賀が生き残る上で大きく貢献している。若手らしく思い切りの良いダイナミックなプレーでチームを盛り立てた高橋は、来シーズンのさらなる飛躍を誓う。

並里からのアドバイス「下を向くな」を実践

──濃密な1年間だったと思いますが、髙橋選手にとってはどんなルーキーイヤーでしたか。

アーリーエントリーで入ってきた昨シーズンはずっとベンチにいたんですけど、今シーズンからヘッドコーチが代わって試合に多く出られるようになりました。プロで試合に出る楽しさ、チームを代表してコートに立つ自覚が持てたシーズンだったと思います。まあ新人選手なので、出た時は思いっきりプレーしてやろうという気持ちで、そこはうまく行ったと思います。

特にディフェンスですね。コーチからもずっと言われてきましたが、オフェンスよりディフェンスができる選手になろうと。僕のポジションは相手のエースに付くことが多くて、相手が僕より確実に上というのが分かっている状況もありました。自分と同じサイズでガードをやっている宇都(直輝)選手やシューターの古川(孝敏)選手は、さすが日本代表選手ということもあってすごくうまかったです。

ただ、相手が上であることは分かっていても当たって砕けろ、そんな感じで守っていました。やられても仕方ないので、すぐ切り替えてやろうと。勝てない相手じゃないと思って変に強気に行くというか、何も考えずにプレーするというか。

──転機になったような出来事はあったのですか?

変に考えてミスをすると消極的になってしまうところがありました。(並里)成さんとかから「下を向くな」と言われて、ミスをしても下を向かずプレーするように心掛けました。本当はやられると結構落ち込むタイプなんですけど(笑)。

それでも慣れたというか、試合を重ねるごとに強気にプレーできました。チームの代表として試合に出ている分、自分のやるべきことをしっかりやろうと心掛けました。あとは自分がチームに勢いを与えようと。それは若い選手がやるしかないので、そこも頑張りました。

──オフェンスでも十分に目立っていました。オフェンスで心掛けていたことは?

外国籍選手がリバウンドを取ったらウチは成さんにボールを出すんですけど、その時点で僕と佐藤(卓磨)は前に走っていないといけない。若いので体力があるし、他の選手にスピードでは負けないと思っているので、とにかく前に走ってファストブレイクを狙って。あとはノーマークだったら思い切ってシュートを打とうと考えていました。

コーチからいつも言われたのは前に走ること、それからリバウンドです。言われたことをただ聞くだけじゃなく、自分でしっかりこなすことを考えていました。でも、ウチの場合は成さんが切り込んで、そこから自分でも行けるしパスも出せる状況を作ってくれます。そのオフェンスのところは成さんが本当にすごい選手だなあと思いますよ。

「自分の出来は50点、あとは練習あるのみ」

──大学からBリーグへと舞台が変わって、レベルの差は感じましたか?

ディフェンスとフィジカルの強さですね。特にディフェンスは、やらないと試合に使ってもらえないので。大学の時は少しなら流しても大丈夫というか(笑)、Bリーグほど緻密ではなかったので。実際、滋賀でプレーするようになってからディフェンスは本当にやるようになりましたね。大学時代と比べたらディフェンスが好きになっています。

オフボールでのディフェンス、1対1のディフェンス、ピック&ロールのディフェンスのつき方、いろいろあると思うんですけど、1対1のディフェンスは簡単には抜かれたくないです。いつも自分と同じくらいの身長の選手に付くんですが、そういう人はみんなエースだったりする感じなんです。でも、エースにやられたら相手に勢いを与えちゃうので、絶対に止めるという気持ちでいつもディフェンスしています。

──並里選手から「下を向くな」と言われたそうですが、やっぱり切り替えるのが難しい時もあるのでは? 試合が終わってから次の試合までの切り替えはどうやっていますか?

試合後は家に帰って、録画してある試合を反省しながら見ます。明日はどう守ればいいのか、などを考えながら。次の日まで引きずったらいけないので、そこで終わりにします。コーチにも成さんにも切り替えが大事だと言われるのでそこは意識しています。

自分の中での反省として集中力を欠くことが多くて、フワフワしちゃうところが今シーズンの前半戦にはありました。それがシーズン後半になると少しずつ良くなってきたとは思います。成さんからは「集中していなくても集中しようとするようになってきた」と言われていて、そこは変わった部分だと思います。

──このシーズンを振り返って、自分の出来は100点満点中で何点?

50点くらいですかね。足りないのはまだメンタルで引きずってしまう部分で30点、あとはシュートで20点のマイナスです。3ポイントシュートの成功率が30%を切っているので、最低でも35%は欲しいです。あとは練習あるのみだと思っています。

「応援してもらえることで頑張ることができたシーズン」

──滋賀はなかなか勝てない時期も経験しましたが、残留プレーオフを回避できました。シーズンを通してチームの雰囲気はどうでしたか?

長い連敗をした時期も練習からばっちり集中できていました。負けている時も良い雰囲気で試合ができていたと思います。下を向かずに勝つことだけを考えて戦うことができたのは良かったです。個人的にも、自分なりに結果を残せたし、プロでやれる自信になったので、そこは良いシーズンだったと思っています。ドリブルであったり個人の課題はたくさんあるので、オフに自主練とかいろいろやって苦手を克服して、また来シーズンも結果を残したいです。

──『プロバスケットボール選手であること』にはもう慣れましたか?

応援してもらえるのは本当に心強いです。応援してもらえることで頑張ることができたシーズンでした。小学校や中学校の頃からプロ選手にあこがれてバスケをしていました。いざ自分がその立場になると、あこがれにしてくれるファンもいますし、その期待に応えるためにも頑張ろうと思います。僕があこがれていたのは川村(卓也)さんとか桜井(良太)さんですね。あとはNBA選手だとコービー・ブライアントで、それでユニフォームも24番を着けているんですけど、あのポストプレーとかを今後モノにできるよう考えていかなきゃいけないですね。

リリースにもありましたが、また滋賀と2年契約することになったので、是非会場に来てまた応援してもらいたいです。来シーズンも引き続き、外角のシュートだったりファストブレイクからのレイアップで皆さんを沸かせたいです。ディフェンスにも注目してもらいたいですね。

──じゃあ、アグレッシブにディフェンスして、そこからブレイクの展開に持ち込んでダンクをバンバン見せてくれる、ということでいいですか?(笑)

はい、そのつもりで頑張ります!(笑)