勝敗を分けたウェストブルックのイージーミス
ロケッツはサンダーとの第6戦を100-104で落とし、勝負は『GAME7』に持ち越された。
終盤まで接戦が続いたが、勝敗を分けたのはラッセル・ウェストブルックのターンオーバーだった。クリス・ポールにフリースローを決められ2点ビハインドで迎えた残り13秒、ボールを託されたウェストブルックはゴール正面からドライブで切り込む。ヘルプも含め3人が待ち受けていたためロバート・コビントンへのパスへと切り替えたのだがパスが逸れ、コビントンは触れるだけで精いっぱいとなり、ボールがサイドラインを割った。このミスが決定打となり、ロケッツは勝機を失った。
ウェストブルックは最後のプレーだけではなく、軽率なターンオーバーが目立ち、この試合で両チーム最多となる7つのターンオーバーを記録。チームとしても22ターンオーバーとミスが多く、これが敗因となったのは明らかだった。
ウェストブルックは「僕の責任」と淡々と語った。「接戦でミスをしているのは自分たちだ。今日は僕が何度もターンオーバーをして、2試合前はエリック(ゴードン)にも一つあった。ターンオーバーは第5戦では0だったのに今日7つに増えたのは僕の責任だ。自分たちのミスで負けているわけで、試合に勝つには修正が必要になる。これまでは上手く試合を締めくくることができていたが、今回はそうじゃなかった」
会見に応じるウェストブルックは不機嫌で、ケガから復帰した現在の調子を問われると「分からない」、第7戦でのプレータイムについての質問には「試合が来れば分かる」と素っ気なかった。古巣との対戦、しかも1試合の価値が重いプレーオフでの大きなミスにショックを受けているのは明らかだった。
ゲームハイの32得点を挙げ、この試合ではディフェンスでの奮闘も目立ったジェームズ・ハーデンも、ターンオーバーの多さを悔やんだ。「僕を含めケアレスなターンオーバーが多すぎた。接戦で多くのターンオーバーを犯したことで相手にたくさんのチャンスを与えてしまった。相手を104点に抑え、ディフェンス面では良い仕事ができてたのに、ターンオーバーのせいで得点のチャンスが減ってしまった」
またウェストブルックのターンオーバーに質問が及ぶと、チームメートをかばいつつこのように答えた。「多少は影響があっただろうが、僕も5つあった。2人ともボールを失わないようにしないといけない。合計12のターンオーバーを半分にできれば勝てる可能性は増えるんだから」
ディフェンスが機能してサンダーから19のターンオーバーを誘発したが、ロケッツはコミュニケーションミスやファンブルなどで自滅し、優位性を手放してしまった。接戦になればなるほど、一つのミスが勝敗を分ける。『GAME7』となればなおさらだ。このシリーズでサンダーの接戦での強さは証明済み。ロケッツが勝ち上がるには無用のターンオーバーをなくすことが求められる。