乱闘を繰り広げたエニス三世とウィリアムズは両者退場に
ヤニス・アデトクンボが35得点11リバウンド7アシスト。バックスは試合のほとんどの時間帯で2桁のリードを保つ盤石の試合運びで、121-107でマジックに完勝した。
立ち上がりから集中を欠いた戦いぶりで落とした第1戦が、バックスにとっては良い薬になっている。リードがどれだけあっても、コートに立つ5人が常に集中し、ハードワークを徹底する。良いディフェンスからリズムを作り、良い攻撃へと繋げる。チームバスケットが機能していれば、アデトクンボも攻守にその能力を遺憾なく発揮できる。
チームバスケットが攻守に機能する中で、ここ2試合で深刻なシュートスランプに陥っていたクリス・ミドルトンが復調。ミドルトンは「ファンがいない状況でプレーするのに戸惑ったけど、ファンから後押ししてもらうんじゃなく、自分たちでエネルギーを出さなきゃいけないと分かった。僕たちはチームとして必要なエネルギーを出して戦うことができるようになっている」と語る。
第2クォーター途中には乱闘劇があった。ジェームズ・エニス三世とマービン・ウィリアムズがリバウンド争いの接触から、プレーが続いているにもかかわらず相手を突き飛ばし、胸倉をつかむウィリアムズの手をエニス三世が振り払う。両者ともに退場処分となったが、ウィリアムズがロールプレーヤーであるのに対し、エニス三世は攻守にダイナミズムをもたらすマジックの先発で、マジックの受けたダメージは大きかった。
しかし、この乱闘がなくてもこの日のバックスは止められなかったに違いない。
アデトクンボにマークが集中するのはいつものこと。彼自身が強引に打開するより、周囲が良いプレーをしてサポートする形ができれば、バックスはここで止まるようなチームではない。
アデトクンボは「上手く試合に集中できていた」と語る。「試合が始まる前、リムの近くや良い体勢でボールをもらった時は絶対にアタックするんだと自分に言い聞かせていた。僕が完璧なゲームをしなくちゃいけないとは思っていなかった。ただ自分のバランスを意識して、強くアタックしようと考えていた」
アデトクンボはフィールドゴール14本中12本成功と高確率でシュートを決めた。身体能力を生かして強引にアタックするシーンもあるが、それは彼にとって決めきる自身のある「良い体勢でボールをもらった時」なのだろう。決して得意ではないフリースローも12本中9本成功と波に乗っていた。
ヘッドコーチのマイク・ブーデンホルザーは、アデトクンボがリーダーシップを発揮しつつも、彼に依存しすぎないチームバスケットができつつあることに満足している。「我々すべてがヤニスのリーダーシップや闘争心を養うんだ。それにヤニスが応え、チームに良い影響力を発揮しているのは素晴らしいことだよ。13時開始のゲームには慣れていないし、集中するのは簡単じゃない。でもヤニスとウチのチームはそれをやってくれた」
バックスはこれで2勝1敗と勝ち越しに成功。試合を重ねるごとにアデトクンボを中心に結束が固まるバックスに隙はなさそうだ。