写真=Getty Images

フランチャイズ・プレーヤーとして模範的な行動

昨年オフにポール・ジョージと交換でサンダーからペイサーズにトレードされたビクター・オラディポ。大学時代を過ごしたインディアナに戻って迎えた今シーズン、オラディポはキャリアハイの平均23.1得点を記録し、初のオールスター選出も果たした。そして、プレーオフ・ファーストラウンドではレブロン・ジェームズのキャバリアーズを苦しめ、その名は世界中のNBAファンに知られるようになった。

そんなオラディポが、白血病と戦う幼いペイサーズファンに充てた一通の手紙が話題を集めている。宛先は大のペイサーズファン、10歳のキャメロン・カーク君。最近になって白血病と診断された少年のことを知ったオラディポが手紙を送り、母親がTwitterにオラディポの署名入りの手紙の画像を投稿した。

手紙の内容は以下の通り。

「やぁ、キャメロン。先日、君が白血病と戦っていると聞いて、元気になってもらいたいと思って手紙を書くことにした。今は不安だろうし、フラストレーションが溜まる時期だとも思う。でも、君は自分を信じないといけない。周りで病気を乗り越えるサポートをしてくれている人たちを信じないといけない」

「新たな日々と向き合う君に必要な力、痛みのない時、幸福感を神様が与えてくださるよう祈っている。これだけは忘れないでもらいたい。どういう道を神様が君に与えようと、絶対にあきらめちゃダメだ。神様が考えるプランや、君の人生にどういう影響を与えてくれるかは誰にも分からないのだからね」

「治療が上手くいくことを心から願っている。前向きな姿勢を持ち続けて、お医者さん、看護師さん、お父さんとお母さんの言うことを聞いてほしい。彼らは、君が病気に勝つ手助けをしてくれているのだからね。チームメートも僕も、君の全快を信じている!」

カーク君の母親は『WISH-TV』の取材に応じ「私はもともとビクターのファンでした。でも、手紙を読んで、あれだけ著名な選手が息子のために時間を取って手紙を書いてくれたこと、神のご加護を祈ってくれて感動しました。私たちは、これからもずっと彼を応援し続けます」と答えた。

幼いファンのためとはいえ、なかなかできることではない。今シーズンの『サプライズ・プレーヤー』としてその名を馳せたオラディポは、コート外でもロールモデルとして称賛される行動を自発的に行なっている。生え抜きのジョージはチームを去った。だがインディアナポリスには、オラディポという新たなフランチャイズ・プレーヤーが誕生した。