復帰のマイク・コンリーはゲームハイの27得点
ナゲッツとジャズのプレーオフファーストラウンド、実力伯仲のシリーズと見られたが、第2戦に続いて第3戦もジャズが圧倒的な力を見せて、終盤を待たずに勝負を決めてしまった。ここまで3試合のスコアは125-135、124-105、124-87。ジャズの得点は変わらないが、初戦で135失点を喫したディフェンスは試合を追うごとに引き締まり、オフェンスチームのナゲッツを沈黙させた。
ナゲッツはレギュラーシーズンの73試合で2桁得点のゲームが4試合しかなく、87得点は今シーズン最少だ。ポイントガードのジャマール・マレーは「完全に相手のペースでやられてしまった」と振り返る。
だが、実際はディフェンスのリズムの悪さがオフェンスに影響を与えたように見える。ジャズの攻めに翻弄され、ディフェンスをどう立て直すかに意識が向いてしまい、オフェンスから思い切りの良さが消えてしまった。
ジャズの攻撃を引っ張るのはドノバン・ミッチェルで、この第3戦からマイク・コンリーが復帰した。ナゲッツはまずミッチェルを、そしてコンリーを抑えることを意識したが、ジャズはその裏を突く形でジョー・イングルスがチャンスメーク。ティップオフ直後と後半立ち上がり早々、イングルスがそれぞれ3アシストを記録してジャズに流れを呼び込んだ。
ミッチェル、コンリー、イングルスの連係でズレを作り出し、カバーに飛び出すニコラ・ヨキッチの裏を突いてルディ・ゴベアがゴール下の得点を重ねていく。ナゲッツの守備陣が中を意識すれば外から3ポイントシュートを射抜く。バランスの良い攻めでナゲッツを振り回した。
ゴベアはフィールドゴール15本中11本成功の24得点を記録。ヨキッチとの1on1をまともに繰り広げていては、これだけの確率の良さは望めない。味方との連係で生み出したチャンスを確実に得点に繋げた結果だ。「僕の意識はいつもディフェンスが優先だ。でもオフェンスでもチームに貢献できると思っている。スクリーンを掛け、チームオフェンスを遂行し、フィニッシュに行ける時は積極的に行く」とゴベアは語る。
「ナゲッツがどうディフェンスしてきても、僕たちはどういうプレーで崩せばいいか分かっている。大事なのは相手じゃなく僕たちで、正しいプレーを選択して遂行できるかどうか。それができれば、今日みたいな試合になる」
マイク・コンリーは復帰戦でゲームハイの27得点を記録。こちらもゴベアと同様にチームオフェンスを遂行し、3ポイントシュートを8本中7本決めた。良いポジション取りを意識し、打つべき時に躊躇なく打った結果だ。
初戦は競り負けたものの、試合を重ねるごとに攻守が噛み合い、2勝1敗という成績以上にジャズの充実ぶりが目立つ。ナゲッツが強敵であることは認めつつも、ゴベアは自分たちがカンファレンスセミファイナルに相応しいと自信を持っている。「僕らは最高のグループで、素晴らしい機会に恵まれている。僕がやるべきことはチームメートのためにベストを尽くすこと。それさえできれば、もっと良いところまで行けるだろうね」
ナゲッツもこのままでは終わらないだろうが、オフェンスよりもディフェンスを立て直し、ディフェンスからリズムを作るゲーム運びを取り戻さない限りは、ジャズの勢いは止められないだろう。得点力に魅力はあるが、守備の難をジャズに狙われてディフェンス崩壊の一因となっているマイケル・ポーターJr.のプレーをどう修正するかが一つ大きな課題。カバーリングに行きすぎる弱点もジャズにいいように利用されている。こちらはまだ1勝2敗ではあるものの、危機感は強いはずだ。