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レブロンを支えるムードメーカー

周囲の予想を良い意味で裏切り、東カンファレンス・セミファイナル第1戦から3連勝を記録したキャバリアーズ。レブロン・ジェームズがラプターズとのシリーズでも獅子奮迅の活躍を続けているが、2016年の優勝メンバーの一人、JR・スミスの存在も大きい。

レブロンのブザービーターで競り勝った第3戦、スミスは27分の出場で無得点に終わった。だが試合翌日、ヘッドコーチのタロン・ルーが、スミスは体調を崩して出場できる状態ではなかったことを明かした。

体調不良の原因は不明だが、ルーによれば、スミスは試合当日の朝の練習には不参加だったという。それでもコートに立てばラプターズのエース、デマー・デローザンを執拗な守備で苦しめ、わずか8得点に抑えて勝利に貢献した。また、試合中には声を張り上げてチームメートを鼓舞。今シリーズで2得点しか決められていないロドニー・フッドには「自信を持ってやってみろ。シュートを打てるなら打っていいんだ。積極的にやろう」と声をかけていた。

スタッツに表れなくても勝利には貢献できる。体調が悪くても、スミスはその時のベストを尽くしている。1回戦を大苦戦の末に突破した状況、2連勝でホームに戻ったチームのリズムを乱してはいけないと、強行出場を決断したのかもしれない。

レギュラーシーズン開幕からの紆余曲折、シーズン途中のロスター刷新により、まだ確固たる形を見いだせていないキャブズだが、4年連続のNBAファイナル進出に向け、一歩ずつ前進している。この4年間、一緒に数々の修羅場を潜り抜けてきたスミスの存在は、チームリーダーのレブロンにとっても心強いに違いない。