チャンピオンシップのクォーターファイナルに出場できず
チャンピオンシップ出場を決めている京都ハンナリーズに激震が走った。Bリーグは今日、水曜に行われた西宮ストークス戦でのジョシュア・スミスの行為に対する懲罰として、5試合の出場停止と罰金25万円という厳罰を科すことを発表したのだ。
これでスミスは明日からのレギュラーシーズン最終節のアルバルク東京との2試合、そしてチャンピオンシップのクォーターファイナルに出場できないことになる。クォーターファイナルで第3戦までもつれた場合は、ここで出場停止5試合を消化するが、第3試合が実施されない場合は5試合目の出場停止が持ち越しとなり、セミファイナルに勝ち進んでも第1戦では出場できない。
『事件』が起きたのは第2クォーター途中、オン「1」の時間帯で西宮のドゥレイロン・バーンズとマッチアップしていた時間帯のこと。外国籍選手の中では小柄なバーンズはサイズの不利を埋めるためにアグレッシブな守備をスミスに仕掛けていた。坂東拓が放ったシュートが外れたリバウンド争いで、バーンズと土屋アリスター時生との2対1の争いでの接触にいら立ったスミスは、リバウンドを取れなかった直後にゴール脇に置かれているボールゲージ上の予備のボールを殴った。これがすぐ後ろにいた観客に当たってしまう。その場ではテクニカルファウルがコールされたが、懲罰規程に基づき今回のペナルティが科されることになった。
直後にスミスは自分の犯した過ちに気付き、このファンに謝罪しているが、故意ではなくても責めは免れない。乱暴行為の出場停止で思い出されるのは昨シーズンの千葉ジェッツvsアルバルク東京におけるヒルトン・アームストロングが相手選手を投げ飛ばした事件。この時でも出場停止は2試合だった。またトロイ・ギレンウォーターはコートに唾を吐く行為で4試合の出場停止となっているが、今回は観客を巻き込んだ事件ということでより重いペナルティとなった。
得点とリバウンドでチームトップ、手痛い損失に
京都にとっては悔やんでも悔やみきれない戦力の損失だ。1試合平均16.8得点、9.4リバウンドはいずれもチームトップの数字。208cm138kgの体格を生かしたパワーではB1でもズバ抜けており、アウトサイドのシュートは期待できないがゴール下は彼の独壇場で、フィールドゴール成功率はリーグトップの67.2%。スミスのポストプレーが主要な攻め手でもあり、チャンピオンシップを翌週に控えたタイミングだけに、チームが受けるダメージは計り知れない。
事件のあった西宮戦には69-92と予想外の大敗を喫している。スミスは4得点と、開幕からフル出場した58試合目にして最も少ない得点に終わっていた。この試合後に浜口炎ヘッドコーチは「次のA東京戦は、出れる選手全員で勝ちに行く」と語ったが、この時点である程度、スミスの出場停止は覚悟していたのだろう。
今シーズンの京都ではジュリアン・マブンガとマーカス・ダブがケガに苦しみ、浜口ヘッドコーチはスミスを軸にしながら難しい選手のやり繰りを強いられてきた。それがここに来てスミスが、しかもこういう形で抜けるのは痛すぎる。レギュラーシーズン最後の2試合、そしてチャンピオンシップを、大黒柱抜きの京都はどう戦うのだろうか。
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