『新体制』川崎と対峙した千葉の富樫勇樹「ここで1試合やれたことは大きかった」

2018/05/03
Bリーグ&国内
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文=丸山素行 写真=鈴木栄一

苦笑いとともに「ずるいなって感じですね」

千葉ジェッツは川崎ブレイブサンダースと対戦し、両チーム合わせて192点のハイスコアリングゲームに敗れた。どちらもオフェンス力の高いチームだが、千葉はディフェンスからのトランジションが最大の武器で、点の取り合いという点では川崎のほうが一枚上手だった。

昨日の一戦はニック・ファジーカスが日本国籍を取得し、帰化選手として登録された最初の試合とあって特に注目を集めた。このことについて富樫勇樹は苦笑いとともに「ずるいなって感じですね」と率直な気持ちを明かした。

「ただでさえBリーグのトップ選手で、もう何年もトップでやり続けている選手が今日本人としてプレーしている。違和感というか、ちょっと慣れない部分はありました」

川崎はオン・ザ・コート数を「2-1-1-2」から「1-2-1-2」へと変更した。だが富樫が「違和感」と表現したように、ファジーカスが帰化したとはいえ、川崎の顔ぶれに変化はなかった。

「内容的にはひどいわけではなかったと思いますけど、あっちのやりたいことをやらせてしまった時間帯もありましたし、リバウンドがなかなか取れない時間帯もあって苦しい試合でした」と富樫は試合を振り返った。

そのリバウンドは22-42、特にオフェンスリバウンドでは4-16と大きく水をあけら、結果的にこのリバウンドの差が勝敗を分けた。川崎にとって、オン「1」の時間帯でファジーカスを起用できる最大の恩恵はこのリバウンド力だろう。

「バスケットは結局一人ではもちろん勝てない」

敗れはしたものの、富樫個人のパフォーマンスは光っていた。8本中6本の3ポイントシュート成功を含む、ゲームハイの28得点に加え6アシストを記録した。

「最近はシュートタッチは良いと感じてるんですけど、どうですかね」と負け試合で稼ぐ個人スタッツに興味はなさそうだ。「もう少し味方に良いシュートを打たせてあげたいというか、自分がクリエイトしてオープンの選手を見つける時間帯もなければいけない」と反省点を挙げた。

大野篤史ヘッドコーチは「ボールムーブメントからコーナーで打ってますので、悪いオフェンスではなかった」と言いつつも、「ただ少しアイソレーションが多かった。もう少しボールを回さなきゃいけなかったです」と富樫と同様の認識を持っている。

富樫がどれだけシュートを決めても追いつけない展開は、11月12日のアルバルク東京戦を想起させた。富樫はその試合でシーズンハイの42得点を挙げたが試合には67-77で敗れている。

富樫が点を取りすぎる展開はチームにとってマイナスなのか。富樫はやや考えてこう答えた。「入りすぎちゃうと打っちゃうというか、実際それが決まって点差は縮まるわけなので、自分の中で良いと思う時はあります。でもバスケットは結局、一人ではもちろん勝てないので。仲間のヘルプが必要になった時も他の選手のリズムが良くないままで、そのまま試合が終ってしまうこともあります。調子が悪い時になかなかシュートを打たず、最後のほうにシュートを打っても入らない時は自分にもあるので、だからそこはもっと意識してやりたい」

チャンピオンシップ前の対戦が一番の収穫

このまま順位に変動がなければ、チャンピオンシップ1回戦で両者は再び相まみえる。頭では分かっていても、ファジーカスの帰化による破壊力は実際対戦してみないと分からない。「だからこそ、このゲームで1試合やれたことはすごく大きかった」と富樫はこの経験を収穫に挙げた。

チャンピオンシップはレギュラーシーズンとは別物の試合となる。ただ、千葉の場合は少なからず特別な戦術を用意することはあっても、スタイルは不変だ。「特に千葉は相手がどうとかプレーオフだからと言っていろいろ変えるチームではないと思うので、来週もし当たることがあれば、この1試合で出た反省点をしっかり修正して戦いたい」と富樫は静かにリベンジを誓った。