大﨑佑圭

「ぶつけ先のない悔しさがこみ上げてきます」

新型コロナウイルスの感染拡大により、東京オリンピックは1年延期となり、日本代表の活動もなくなった。先日、女子日本代表は2020年度の代表メンバーを発表したが、そこに大﨑佑圭(旧姓 間宮佑圭)の名前はなかった。

JX-ENEOSサンフラワーズの主力としてWリーグを勝ち続け、また長らく日本代表のセンターとして活躍し、2016年のリオ五輪でのベスト8進出に大きく貢献した大﨑は、結婚からの出産により2017-18シーズンを最後にコートから離れていた。それでも今年1月に所属チームがないまま日本代表にサプライズ復帰。1年半以上のブランクを乗り越えて、東京オリンピックでのプレーを目指した。

2月の東京オリンピック予選(OQT)には子供を預けて参加。コンディションと試合勘を取り戻すための大会だったがカナダ戦では先発出場も果たし、国際経験豊富でチームのために身体を張り頭を使ってプレーできる大﨑への、指揮官トム・ホーバスの信頼の高さがうかがえた。

本来であれば金メダル獲得を狙う今夏のオリンピックで、大﨑は日本代表における重要な選手としての役割を担ってプレーしていただろう。だが、オリンピックは1年延期となり、そこで彼女は今回の代表メンバーから外れる決断を下した。

その心境は本人のInstagramにつづられている。「さて、今まで言葉にしてこなかったけど。遂にバスケット人生に終止符です。引退します」

「復帰して日本代表として活動する毎日は本当に夢のような日々でした。使命感やプライド、闘争心をバチバチに背負い、ただただ戦う事、勝つ事だけを胸に日の丸をつけていたかつての私ではなく、ストンと肩の力を抜いて全体を見回し深く息を吸って…新しい自分として日の丸をつけることができたと思っています」

「コロナがなければ今頃…と思うと、ぶつけ先のない悔しさがこみ上げてきます。こんな感情は初めてかもしれません。どうか1日でも早く安心して暮らせる日常が戻ってくることを願います」

「きっと誰かがこの道の先を作ってくれるはず!頼んだよ!」

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