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来シーズン終了後、ブッカーのルーキー契約は満了に

今シーズンは21勝61敗でリーグ最下位に終わったサンズ。チームは再建に向け、若く才能ある選手を集めてはいるものの、まだ浮上のきっかけを見いだせずにいる。そのチームにおいて、一人だけ別格の活躍を見せているのがデビン・ブッカーだ。

2017年3月24日のセルティックス戦で、NBA史上6人目の『1試合70得点』という大記録を達成したブッカーは、今シーズンもスタッツを順調に伸ばし、キャリアハイの平均24.9得点、4.5リバウンド、4.7アシストを記録した。ただ、バスケットボールはチームスポーツだ。ブッカーのパフォーマンスが突出していても、チームとして成熟しなければプレーオフ進出は難しい。

しかしブッカーは、今シーズン最後のメディア対応の際、「プレーオフ進出を逃すのは今年が最後」と断言した。「本気だよ。プレーオフを逃すのは今シーズンが最後。自分に必要なプレッシャーをかけているんだ」

最下位に終わったことで、サンズは来月の15日に開催されるドラフト・ロッタリーで全体1位指名権を獲得できる可能性が最も高いチームになった。もし、この確率通りに全体1位指名権を獲得すれば、チーム編成にも大きな影響があるだろう。そのまま指名権を行使して即戦力選手を指名するのも一つだが、他チームの主力を獲得するトレードの手駒としても使えるからだ。

ブッカーが語ったように、サンズが本気で来シーズンのプレーオフ進出を目指すのならば、育成にだけ時間をかけていては間に合わない。ブッカーの負担を軽減させられるトップ選手をロスターに加え、ケミストリーを築き上げるのが近道になる。

その一方で、サンズが育成優先という方針を変えないのなら、来シーズン開幕までに大きな決断を下さなくてはならないかもしれない。

ブッカーのルーキー契約は来シーズン終了後に満了する。そして現時点で延長契約にサインしていない。球団が本気で強くなる姿勢を見せなければ、ブッカーは来夏にも移籍を検討するだろう。サンズとしては彼をフリーエージェントで失うことを避けるため、来シーズンのトレードデッドラインまでにトレードを決断する可能性もある。

今シーズンのプレーオフ争いを見ても分かる通り、西カンファレンスからポストシーズンに勝ち上がるには40勝後半が最低ライン。サンズがブッカーを手放したくなければ、方針を育成路線から補強に変更し、「高いレベルを目指す」という意志を示すべきだ。