チームファーストを貫いて成長を重ねる、A東京の小島元基「チームが勝てばいい」

2018/03/29
Bリーグ&国内
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文=丸山素行 写真=野口岳彦、B.LEAGUE

「一つのミスや一つの負けがめちゃくちゃ重い」

昨日、アルバルク東京は栃木ブレックスを破り、東地区首位を守った。栃木の安齋竜三ヘッドコーチが「強度が全然下がらない。しっかり訓練されている」と評したように、セカンドユニットになっても力が落ちないA東京の総合力が光った。

中でもベンチメンバーでただ一人2桁得点を挙げた小島元基の働きは目立った。特にポンプフェイクでマークを外し、楽々と2本のミドルシュートを沈めた終盤のシーンは印象的だった。

「(田中)大貴さんにディフェンスが寄ってクローズアウトの状態になり、こちらが有利なのでフェイクが有効でした。シュートフェイクに引っかかってくれたので、あとは決めるだけでした」と小島は言う。オフェンス有利な状況でも優位を生かせないシーンはいくらでもあるが、小島は落ち着いてシュートを沈め、栃木の反撃の芽を摘んだ。

小島はもともと得点力のあるポイントガードだが、まだ安定感に欠ける部分がある。「このチームにいる限り、一つのミスや一つの負けがめちゃくちゃ重いので、それで最近は考えすぎて行けなかった」と常に勝利を求められるチームのプレッシャーが原因と分析する。

それでも「今日は自分もアグレッシブにできたので、それが単純に良いプレーにつながったと思います。3ポイントはあと1本は決めたかったですけど、ターンオーバーがなかったのでそこは良かったです」と小島は自身のパフォーマンスに及第点を与えた。

指揮官も小島を称賛「我々のモーターです」

京都ハンナリーズに所属した昨シーズンはケガによりシーズンの半分を欠場したが、29試合中28試合で先発を務めるなど、チームの主力を担った。だが代表選手を多数抱え、タレント揃いのA東京に移籍した今シーズンは、ベンチからの出場に甘んじている。チームスタイルやプレータイムの違いもあり、スタッツは昨シーズンに比べて落ちている。

それでも小島はチームの勝利を最優先する。「このチームに来て本当に思うのはチームが勝てばいい、それが一番なんです。自分のパスでシュートが決まってくれたり、自分の一つのディフェンスで流れが変わったり、スタッツは何も考えていないです」

チームファーストを貫く小島を、指揮官のルカ・パヴィチェヴィッチは「ハードワークをこなし、ポイントガードとしてエネルギーがあふれていて、我々のモーターです」と評価する。

2桁得点を挙げて勝利に貢献したことについても「今日のようなパフォーマンスは別に驚くことではない、当然の仕事だ。パフォーマンスが悪い時は何をやってるんだと言うが、今日の出来がスタンダード。ケガ人や代表選手がいなかった時期があるが、彼がいたから我々は現在この位置にいる。元基はよくやっている」と話し、指揮官からの信頼と期待の高さがうかがえる。

チーム内競争の中、安藤の存在が成長を引き出す

安藤誓哉の控えポイントガードというのが小島の現在の立ち位置だ。選手として先発出場を望むのは当然。小島も「去年からバチバチやってましたし、個人的には安藤さんに勝ちたいです」と本心を語る。

それでも「もちろんそういう思いはありますが、今はチームが良くなれば本当に良い。今は一緒に力を合わせてチームが勝てばそれでいいです」と再びチームファーストを強調した。
 
それはただ自分の気持ちを押し殺しているのではなく、この環境が自分の成長を促していると実感しているから言える言葉だ。「ルカもそうですし、安藤さんもそうですし、チームメートの環境もそうです。本当に常に質の高いことをしないといけないので、このシーズンはいろいろ難しいですけど、でもメンタルもスキルも成長してるのは自分が一番分かっているので」

ルカコーチも「小島と安藤は競い合って、切磋琢磨しながら成長している」と太鼓判を押した。小島の成長は安藤を刺激し、それがチームの底上げとなる。厳しいチーム内競争がプラスに働いていることが、A東京が激戦の東地区でトップを守る大きな理由となっている。