八村塁

オーランドに到着した選手たちの仕上がりぶりに満足気

シーズン再開の舞台となるオーランドのディズニー・ワールドに各チームが次々と到着している。ウィザーズは4カ月ぶりにチーム練習を再開させた。ブラッドリー・ビールがケガのため、ダービス・ベルターンスが個人的な事情でリーグ再開には加わらず、戦力は大幅ダウンとなっているが、若いチームにとってプレーオフ進出を争うことは良い経験となる。

練習で選手たちが見せる意欲的な動きにヘッドコーチのスコット・ブルックスは満足気。指揮官が特に称えたのは八村塁だ。筋トレに励んで体重を増やしてチームに合流した八村について、ブルックスはこう語る。

「今回の中断期間で塁が時間を掛けて取り組んできたことが分かるよ。どんな選手もハードワークを通じて強くなっていく。彼はストレングスコーチとともにウエイトトレーニングとコンディションのプログラムに集中してきた。それが彼の助けになる。フィジカルな試合が長く続くと消耗するものだが、強い身体があればダメージを抑えられる。彼はこの4カ月間で確実に強くなった」

ジョン・ウォールとブラッドリー・ビールの『2枚看板』はどちらも不在。ベルターンスも合流を見送った。さらにはトーマス・ブライアントとゲーリー・ペイトン2世は出発前の新型コロナウイルス検査で陽性反応が出て、チームに合流できるとしてもかなり遅れることになりそうだ。チームとしては大きな戦力ダウンだが、ヘッドコーチはそこよりも今いる選手たちのコンディションの良さに目を向けている。

八村に寄せられる期待は大きいが、ビールが30.5得点、ベルターンスが15.4得点と、今シーズンのチーム得点上位2選手を欠いて苦戦を強いられることは間違いない。得点力をカバーすることよりも、チーム全体でディフェンスのレベルを上げて混戦に持ち込み、どれだけ勝ちを拾っていけるか。そんなチームで八村に求められるのはビールの代わりに得点を量産することではなく、攻守にアグレッシブなプレーでチームを鼓舞することだ。