文=丸山素行 写真=B.LEAGUE
積極的に仕掛けるディフェンスで北海道が優位に
アルバルク東京vsレバンガ北海道の第2戦。終盤に一度逆転を許すも、自慢の攻撃力で上回った北海道が87-81で前日のリベンジを果たした。
立ち上がりは0-6と先行された北海道だが、その後は強度の高いディフェンスと素早いローテーションでA東京のオフェンスを封じる。野口大介のミドルシュートで10-10と追いつくと、その後も相手のターンオーバーを得点につなげていき、11-0のランで26-21とリードした。
互いにオン・ザ・コート「2」の第2クォーターに入ると、連続でミドルシュートを沈めたディジョン・トンプソンの働きで北海道がリードを2桁に乗せる。
点差を縮めたいA東京だが、一人ひとりの強度が高く、変則的なゾーンを併用する北海道ディフェンスの前に、ターンオーバーを連発し得点が伸び悩む。残り4分20秒には安藤誓哉がパスカットからワンマン速攻に持ち込むが、ブロックを警戒してこれを落とし、逆速攻を食らうなど波に乗れない。
まるでデジャヴ、アンスポーツマンライクファウルで幕
46-34とリードして迎えた後半、開始からアレックス・カークの連続得点、田中大貴の3点プレーとなるバスケット・カウントと0-7のランを浴び、流れがA東京に傾きかけるが、北海道は要所でマーク・トラソリーニや野口が3ポイントシュートを沈めて逆転を許さない。
指揮官の水野宏太は「東地区1位のチームであるという姿をまざまざと見せつけられた。それでも流れを完全に渡しきらず、自分たちの流れに戻すことができたのが良かった」と第3クォーターの攻防を試合のターニングポイントに挙げた。
それでもA東京は第4クォーターに一度は逆転する。7点あった点差をじわじわと詰め、田中大貴の3ポイントシュートで73-72とリードしたところでオフィシャルタイムアウトを迎えた。だが北海道はここでも踏ん張り、リードチェンジを繰り返す展開に持ち込んで、トンプソンを起点としたオフェンスで着実に得点を重ねていく。残り2分10秒に折茂武彦の3ポイントシュート、残り1分24秒にトラソリーニのレイアップと連続得点を奪った北海道が83-77と一歩抜け出した。
A東京はファウルゲームに持ち込み点差を詰めていくが、81-85で迎えた残り16秒、ファウルに行ったジャワッド・ウィリアムズがアンスポーツマンライクファウルをコールされて万事休す。多嶋のアンスポで勝敗が決まった第1戦とは逆に、ウィリアムズのアンスポが決定打となり、この試合は北海道の勝利となった。
「北海道のアグレッシブさ、意気込みを感じた試合」
勝利した水野ヘッドコーチは「継続して向上していくことを目標にしていく中での勝利だったので、この勝利を喜びたい」と語る。「相手に横綱相撲をさせて、自分たちが押し合いで勝てるわけではない」とA東京との力の差を認めつつ、「特に前半は効果的にディフェンスで仕掛けられた」と、自分たちから積極的に仕掛けたディフェンスを勝因に挙げた。
敗れたA東京のルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチは「過去にも2勝2敗、タフな試合を想定したがその通りになった。北海道のアグレッシブさ、意気込みを感じた試合でした」と勝者を称えた。「我々はソリッドに守るディフェンスのチーム。責任を持ってプレーし、チームディフェンスでカバーするスタイルだが、北海道のオフェンスを上回れなかった」と87失点を許したディフェンスを敗因に挙げた。
激戦の東地区をリードするA東京だが、これで北海道には3勝3敗と勝ち越せず。東地区の首位をキープしているものの、千葉ジェッツに勝率で並ばれた。北海道は勝率5割をキープし、ワイルドカード2位でのチャンピオンシップ出場に望みをつないでいる。レギュラーシーズンは残り14試合、チャンピオンシップをめぐる戦いは、佳境を迎えている。
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