文・写真=鈴木栄一

「僕が得点に絡むにはチームみんなの助けが必要」

3月17日、シーホース三河は敵地の青山学院記念館でサンロッカーズ渋谷と対戦。常にリードする安定の試合運びで74-61と勝利した。この試合、三河にとっては第1クォーターで24-11と大きく突き放し主導権を握ったことがまずは大きく、このスタートダッシュを導いたのは、このクォーターだけで13得点を稼いだ金丸晃輔だった。

リーグ随一の日本人スコアラーとして、今シーズンも安定のパフォーマンスを見せている金丸は、勝因を次のように振り返る。「まずはいつも通り三河のバスケができたことが一番大きかったです。あとはオフェンスリバウンドをとられてセカンドチャンスからの失点が多かったんですが、勝負どころではしっかり抑えられたことです」

そして、21得点を挙げた自身のプレーについて尋ねると、「前半良かったですけれど後半は集中力が切れてちょっと動きがダメでした。でも打つことが大事なので、シュートを打てたことは良かったです」と収穫と課題を挙げた。

これで金丸は4試合連続で20得点以上をマーク。言うまでもなく、本人は自分が何点取ったかを気にしていない。それでも「僕が得点に絡むにはチームみんなの助けが必要です。チームの連携プレーで僕のシュートが生まれており、ここ数試合は本数が打てているので良い状況だと思います」と、シュートの本数自体については好感触を得ている。

「ホームコートアドバンテージは絶対に取りたい」

この試合の第4クォーター、三河は比江島を1番ポジションに据え、松井啓十郎そして金丸という攻撃的なバックコートを組んだ。このトリオについて金丸は「要所で得点を欲しいといった場面で、比江島がポイントガードをやるのは強みになると思います」と見ている。

橋本竜馬、狩俣昌也、そして比江島と司令塔が変わることに応じて、金丸は自分のプレースタイルを調整していると明かした。「竜馬は僕を第一に見てくれます。狩俣は全体的に見て、比江島は自分を生かしつつ周りを見ている。一緒にやっている時は、それを踏まえて自分の役割を変えていて、比江島と一緒に出ている時は、彼を生かそうとプレーしています」

17日終了時点で35勝8敗。中地区で2位の三遠ネオフェニックスに13ゲームの大差をつけており、地区優勝は目前に迫っているが、「通過点で、別に意識はしていないです」と地区王者の称号について金丸にこだわりはない。しかし「全体の1位になってホームコートアドバンテージは絶対に取りたいです。(敵地に乗り込んでのセミファイナル戦で栃木に敗れた)昨シーズンのああいう思いがあるので。今年はしっかり取りたいです」と、リーグ最高勝率への意識は強い。

スコアラーとして「コンスタントに取りたい」

金丸は「このまま行けば1位は取れると思います」と自信を見せる。これは昨シーズンに比べて次のような成長を感じているからだ。

「昨シーズンは、勝てる試合を落としたことが結構ありました。今年もありましたけど、数は少なくなっています。それは、ここでミスしたら負けるという勝負ところで、ディフェンスリバウンドを最低限しっかり取るなど、変なことをしなくなっている。(ダブルオーバータイムで勝った)この前の滋賀戦など特に延長戦で変なことをやると、去年の(チャンピオンシップの)栃木戦みたいになってしまいますけど、そのあたりの反省点はしっかり生かしていますよ」

最後にこれからの終盤戦に向け、金丸自身について課題としている点を聞くと「確率良くシュートを決めること。最近、前半で点を量産して、後半失速というパターンが多いのでコンスタントに取りたい。体力的、集中力の面でコントロールしていきたいです」と締めくくった。

リーグ王者に向け、まずはレギュラーシーズン全体1位を目指す三河。金丸が引き続き安定した得点を重ねることで、ホームコートアドバンテージ獲得の可能性はより高くなってくる。