残り4秒で生まれたビッグショットで決着
新潟アルビレックスBBは敵地の横浜国際プールで横浜ビー・コルセアーズと対戦。最後までもつれる激戦となったが、池田雄一の3ポイントシュートで粘る横浜にトドメをさし、95-91のハイスコアリングゲームを制した。
第1クォーター、前日は新潟の31-19といきなりの大量点が生まれたが、横浜はこの反省を生かしての激しい守備により、新潟の14-13と互角の展開に。第2クォーターに入ると川村卓也がこのクォーターだけで12得点をマーク。一方、新潟はダバンテ・ガードナーが判定への不服から審判に詰め寄りテクニカルファウルを喰らい、両エースの明暗がそのままスコアにも反映され、横浜が35-31と逆転して前半を折り返した。
ともにオン・ザ・コート「1」で迎えた第3クォーター、横浜は佐藤託矢の3ポイントシュートなどで序盤はリードを維持する。しかし、新潟はファウルトラブルでベンチに下げざるを得ないガードナーの代わりに登場したラモント・ハミルトンがこのクォーターで7得点を記録。そして五十嵐圭が3ポイントシュート3本成功を含む13得点と大暴れし、35-23と第3クォーターを圧倒した。
パーマーと川村、4500人の後押しを受けた横浜の粘り
新潟の8点リードで突入した第4クォーター、なんとか連敗を止めたい横浜は4500人を越える観客の声援を受けて猛追。ジェフリー・パーマーの3ポイントシュートにより開始約3分で追い付くと、ここから一進一退の攻防が続く。
その中でも横浜は本日26得点の川村、21得点のパーマーの活躍により、残り約1分46秒で3点を先行する。しかし、新潟は残り49秒に五十嵐の3ポイントシュートで90-88と再び勝ち越し。横浜も残り4秒で1点差と追いすがるが、次の新潟のオフェンスで、ファウルゲームを仕掛けた横浜に対し、新潟は池田がファウルを受けながら3ポイントシュートを決めるビッグショット。これで勝敗は決し、新潟が連夜の劇的な勝利を収めた。
新潟の庄司和広ヘッドコーチは、「ちょっと戦う相手を間違えて方向性がズレてしまう場面がありました。しかし、最後はこのゲームに勝ちたい気持ちが出て、ミスをチーム力でカバーできた。非常に良いゲームでした」と総括する。
この試合、新潟はガードナーが33得点、五十嵐が19得点と主役がしっかり得点。さらにラモント・ハミルトンが第3クォーターの猛攻を導く活躍を見せ、17得点8リバウンド2スティールと攻守に躍動したことが大きかった。
シーズン途中から加入したハミルトンの存在について、庄司ヘッドコーチはベテランらしい落ち着いた振る舞いを評価する。「堂々としているのでチームがバタバタしない。まだチームに馴染んでないところがあるんですが、多少のミスにも動じないです。ハミルトンがプレーしている時間帯に五十嵐を休ませ、ルーキーの森井(健太)を入れていますが、それはハミルトンと一緒にプレーすることで森井も落ち着いてできるためです」
殊勲の池田は「入って結果オーライという感じ」
試合を決める3ポイントシュートを沈めた池田は、「残りの秒数からファウルしてくるのは分かっていたので、2ショットではなく3ショットをもらおうという気持ちで打ちました。入って結果オーライという感じです」と振り返る。
「池田は良い意味でのずる賢さを持っています。すごく良いアクセントになる仕事をしてくれます」と指揮官が評価する『巧さ』を発揮したベテランは、「アウェーでの連勝はなかなかなかったので、そういう中で接戦を勝ち切ることは良かったです。ベンチを含めチームが一つになって戦えたのがこの結果につながりました」と言う。
アルバルク東京と対戦した先週の連勝をしっかりチームの勢いにつなげている新潟だが、池田は冷静な姿勢を崩さない。「結果としては連勝できていますが、まだまだ自分たちは下位に位置しています。1試合1試合、自分たちのやりたいことができている試合が続いていますが、勝ったゲームでも反省点が多くあります。一つでもレベルが上がるように努力をしていかなければいけない」
次週、新潟は琉球ゴールデンキングス相手に連勝と勢いに乗る三遠ネオフェニックスと激突。中地区2位の座を巡る注目の一戦となることは間違いない。
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