不完全燃焼に終わった宇都直輝の反省「自分が出た時は常に狙っていけるように」

2018/02/27
日本代表
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取材=小永吉陽子 文=丸山素行 写真=野口岳彦、FIBA.com

「ポイントガードがもう少し点を取るほうがいい」

ワールドカップ予選を戦う日本代表は25日のフィリピン戦に敗れ、0勝4敗と厳しい状況に追い込まれた。

20-4と最高のスタートダッシュを決めた日本だったがその後に失速し、2桁以上あったリードを瞬く間に吐き出した。23-22とリードして第1クォーターを終えるも、その後はフィリピンの時間帯が続き、終盤に追い上げるも届かず。今の日本に必要なのは内容よりも結果。そのことを理解している宇都直輝は「負けたことに対して単純に悔しいです」と語る。

宇都はチャイニーズ・タイペイ戦でチームの流れを変えるアグレッシブなプレーを披露し、24分のプレータイムを獲得した。だがフィリピン戦では悪い流れを変えられず、得点もフリースロー3本による3得点のみ。チャイニーズ・タイペイ戦ほどのインパクトは残せなかった。

宇都は試合を振り返り、ガード陣の得点不足を課題に挙げた。「ポイントガードがもう少し点を取ったほうがいいのかなとは思います。何本か僕もアタックしてフリースローをもらったりした場面もありましたけど、後半は少しだけだったので。そういうことを自分が出た時は常に狙っていけるようにしていきたい」

日本は宇都、篠山竜青、橋本竜馬の3人で12点。対するフィリピンは3人のガード陣合計で23点と2桁の差が開いた。一概にガード陣の得点力不足を敗因とするわけにはいかないが、得点への意識がフィリピンに比べて低く、ディフェンスに脅威を与えられなかったのは課題の一つだ。

「自分たちでディフェンスを崩してしまいました」

日本は結果的に5点差で敗れたが、我慢の時間を耐え終盤に相手を追い詰める粘り強さを見せた。特に最終クォーターで14点のビハインドを背負いながらも2点差まで詰めたしぶとさは、これまでの日本にはないものだった。

宇都も「日本のオフェンスがすごく良い流れになったのは良かった」と振り返る。ディフェンスから崩れた際、オフェンスにも悪影響を起こしズルズルと点差が離れるシーンはこれまでに何度も見られたが、フィリピン戦ではオフェンスでつないだ印象が強い。

チャイニーズ・タイペイ戦では堅守が接戦を演出する原動力になったが、今回はディフェンスが足を引っ張った。国際大会にしては多すぎる89という失点について、宇都はコミュニケーション不足を指摘した。「ボールを運んできた選手にそのまま1対1でやられることが多かった印象です。やられてもないのに自分たちでディフェンスを崩してしまいました。そういった面はコミュニケーションや試合の中でアジャストしていかないといけない」

完全アウェーも「すごく楽しい環境でした」

どうしても負けたという現実が、悪かった点に目を向けさせる。それでもBリーグの開幕戦をはるかに超える大勢の観客の前で、なおかつ完全アウェーの雰囲気でプレーした経験は他に代えがたい貴重なものだ。宇都も「良い雰囲気の中でやれたことはすごく良い経験になった」と話し、さらには「バスケットボールプレーヤーとしてすごく楽しい環境でした」とアウェーの雰囲気を楽しむだけの余裕があったと言う。

代表デビュー戦となった昨年11月のフィリピン戦では、普段のパフォーマンスが出せずに「ビビった」と語っていた宇都が、4試合目にして場慣れし、メンタル面でタフになった。こういう経験の積み上げが、この先の日本代表を強くしていくのかもしれない。

ワールドカップ1次予選も残すところWindow3、つまりホームでのオーストラリア戦とアウェーでのチャイニーズ・タイペイ戦の2試合のみ。「どこの会場に行っても、自分たちがやることはとにかく精一杯全力出してやること。そういったところはアウェーもホームも関係ない」と宇都は言う。まずはBリーグ再開。貴重な経験を富山グラウジーズに持ち帰り、己の血肉に変える作業が待っている。Window3までの約3カ月を有効活用することに期待したい。