スティーブ・カー

「フィルはどんな状況でも恐れずに選手を使う」

2014年にウォリアーズのヘッドコーチに就任したスティーブ・カーは5シーズン連続でNBAファイナルに進出しチャンピオンに3度輝いた。2015-16シーズンにはNBA史上最多の73勝を挙げ、最優秀コーチ賞を受賞するなど手腕を発揮しているが、選手の起用法に対して批判されることもあった。

ポッドキャスト番組『The TK Show』に出演したカーは自身の起用法に関して、現役時代にプレーしたブルズの指揮官フィル・ジャクソンから影響を受けたと語った。「フィルはどんな状況でも恐れずに選手を使う。僕が考えたラインナップに文句があるならウォリアーズファンはフィルを責めるべきだね。僕は彼から学んだんだから(笑)」

2014年にヘッドコーチに就任したカーは球団のスローガンに『数の力』(strength in numbers)を掲げ、個人ではなくロスターの全選手が貢献するチームの重要性を説いた。そして、カーは先日、自身のコーチ哲学について次のように語った。

「ベンチの選手がチーム全体の士気を高めるためにどれだけ重要か分かっていない。ベンチの端にいる選手が高い集中力を保ち、気合十分で仲間を応援してくれれば、いい雰囲気がチームに広がるんだ」

師匠のジャクソンのようにどんな場面でも恐れずに選手を起用できるということは、カーが選手に全幅の信頼を寄せているということ。選手への信頼はカーの哲学の根本であり、起用法で批判されることがあっても本人はそれほど気にしていないようだ。今シーズンは例外としても、結果的にカーが率いるウォリアーズはここ5年間でリーグで最も成果を挙げているチームなのだ。