千葉ジェッツのギャビン・エドワーズは次なる挑戦に闘志を燃やす「オリンピックは常に心のどこかにある」

千葉ジェッツのギャビン・エドワーズは次なる挑戦に闘志を燃やす「オリンピックは常に心のどこかにある」

2020/05/17

ギャビン・エドワーズ

今シーズン、千葉ジェッツは開幕から2勝5敗と常勝チームらしからぬ苦しい序盤戦を強いられた。それでも、試合を重ねるにつれてチームは本来の姿を取り戻す。そんなチームにおいて、リーグ随一の機動力とフィジカルを兼ね備え『走れるビッグマン』のギャビン・エドワーズは、今シーズンも千葉の大黒柱としての働きを見せた。1月下旬には日本国籍を取得し、今まで以上にリーダーとしての意識を高く持つようになった彼に、里帰り中であるアリゾナの自宅でオンラインインタビューを行なった。

「最後まで戦えなかったのは残念だった」

──今回はアメリカの実家からのオンラインインタビューになります。そちらでも外出規制の制限がある状況だと思いますが、どのように日々を過ごしていますか?

本来ならプレーオフを戦っている、心身ともにバスケットボールに没頭している時期にこうしてアメリカにいるのは奇妙な感じがするよ。今は、自宅でできる限りのトレーニングをしている。2人の小さい子供がいるので彼らの育児で忙しくしているけど、いつもより多くの時間を一緒に過ごせることはうれしい部分だ。

シーズン中止については驚きではなく、他のスポーツリーグの状況を見れば理解できるものだ。リーグはいろいろな対策をして続けようともしていたけど、最終的に正しい決断を下したと思う。ただ、一人の負けず嫌いなバスケットボール選手として、最後まで戦えなかったのは残念だった。

──開幕当初に黒星が先行するなど、前半戦の千葉は苦戦を強いられました。何が要因だったと思いますか。

千葉は組織として素晴らしい仕事をしてくれていて、主力メンバーを維持できていた。それが天皇杯3連覇のような成功の要因になったけど、そこから石井(講祐)、アキ(チェンバース)が離脱したことで、ケミストリーが少し落ちてしまった。彼らは先発メンバーであり、新加入などの他の選手が2人の穴をすぐに埋めるのが難しいのは当たり前のことだ。また、リーグ最高勝率を記録した昨シーズンですら開幕は連敗からスタートした。プレシーズンを何試合かやってはいるけど公式戦ではないし、序盤にリズムをつかむのは簡単ではないよ。

──11月中旬にはBリーグになって初めてレバンガ北海道に敗れ、さらに12月1日に行われた天皇杯の2次ラウンドで再び北海道に敗れ、大会4連覇が潰えてしまいました。あの時期にはかなり危機感があったのでは?

いや、リーグ全体のレベルが上がった結果、簡単に勝てる試合はもうないんだ。北海道に負けた時は、すべてが悪い方向に向かっていた。相手どうこうではなく、自分たちのやるべきことができていなかったんだ。特に天皇杯には自信を持って臨んでいて、だからこそ敗戦には失望したけど、あの負けをきっかけに自分たちが何をやるべきかを見つめ直すことができた。チームの目標とする優勝を果たすためには、もっと高いレベルでプレーしないといけない。そのために、もっと自分を高めなければいけないと選手それぞれがより感じたと思う。

ギャビン・エドワーズ

「リーダーシップの役割をより担わないといけない」

──この天皇杯の敗戦の後、チームは右肩上がりで調子を上げていきます。中でも若手のステップアップが目立ちました。

若手はみんなよく頑張ってくれた。例えばコー(フリッピン)はとても印象的に残る活躍ぶりだったよね。シーズン当初は出場機会が少なく、精神的に厳しかっただろうけど、彼はここから自分の役割をしっかりと理解した。プロ1年目として彼の奮闘ぶりを尊敬するよ。原(修太)はいつもハードにプレーする。チームに多くのものをもたらしてくれており、すべての面で成長した。彼らは周囲から与えられたのではなく、自らの活躍によってプレータイムを勝ち取ったわけだからね。

──ギャビン選手は今シーズンも安定の数字を残していましたが、自身のパフォーマンスについてはどう評価していますか。

正直なところ、期待していたようなプレーはできなかった。日本に来てからでは最も悪い内容だったと思う。ここまで欠場したのはキャリアで初めての経験だった。毎日リハビリや治療をして、試合ではチームメートが戦う姿を見ているだけなのは精神的にとても厳しかった。ただ、今までにない状況に置かれたことで、何をするべきか、逆に何をしてはいけないのかなど、いろいろなことを学んだと思う。だから今は、すべての面で良くなるようにワークアウトしていて、ベストなコンディションで来シーズンに臨もうとしている。そして自分が期待するレベルに戻り、チームに貢献していきたい。

──オフシーズン、千葉では大きな動きとして長らく在籍した小野(龍猛)選手の退団が発表されました。

僕のこれまでのキャリアを通して、龍猛は最も素晴らしいチームメートの一人だ。素晴らしい人柄で、『ミスター千葉』としてキャプテンを務めてきた。これからもずっと彼と一緒にプレーしたかったので、とても悲しい。ただ、これもバスケットボールのビジネスの一部だ。これから彼が望む環境でプレーできることを願っている。

龍猛が移籍することで、個人的にはリーダーシップの役割をより担わないといけないと思っている。僕はもともと寡黙だし、試合中に自分からはあまり発言をしないタイプだけど、これからはもっと声を出していくつもりだ。みんな常にハードにプレーしているけど、同じ方向に進んでいないことも時にはある。そういう時、自分がコートで声を出してみんなを集め、一つにまとめられるようになりたい。

ギャビン・エドワーズ

「日本代表にいつ選ばれてもいいように準備していく」

──新しいシーズンでは外国籍選手のルールが変わり、ベンチ登録が3人となります。今までに比べてビッグマンの選手交代もしやすい状況となりますが、このルール変更をどう受け止めていますか。

出場機会について言えば、個人的にはいつも可能な限り長くコートに立ってプレーしたいと思っている。コートの上で常に試合にかかわり続けて勝利に貢献したいんだ。だけど、リーグ全体で見れば各チームの戦い方に大きな影響を与えるだろうね。どのように各チームの戦略が変わっていくのか興味深いよ。

──1月に帰化申請が受理され、来シーズンは日本人として開幕を迎えることになります。来年に延期された東京オリンピックも含め、特別に意識するところはありますか。

帰化選手としてプレーすることについて今はまだあまり意識していないけど、実際にシーズンに向けての準備が始まれば、自分の役割についてより強く考えることになるだろうね。オリンピックは常に心のどこかにあるものだ。いつだって自分が選ばれた時のことを考えているけど、今は頭の中で大きく占めてはいない。実際、代表に選ばれるかどうかも分からないからね。ただ、常に全力でプレーし、日本代表にいつ選ばれてもいいように、心身ともに準備をしていくだけだ。

──最後にファンへのメッセージをお願いします。

今シーズンは浮き沈みが激しくて、ローラーコースターのようなシーズンだった。その中でもずっと熱い応援を続けてくれたことに、ありがとうと言いたい。今は新しいシーズンに向けてフォーカスして、できるだけの準備をしている。それは他の選手も同じだ。またみんなに会えるのを楽しみにしている。GO JETS!!

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