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勝てば10万ドル、負ければ2万5000ドルという『格差』

今年のオールスターゲームでは、ファン投票で東西カンファレンス最多票を獲得した2選手がキャプテンとなり、所属カンファレンスに縛られることなく選手をドラフトで指名してロスターを編成する、『キャプテン制』が導入された。

キャプテンに選出されたキャバリアーズのレブロン・ジェームズとウォリアーズのステフィン・カリーが選んだ選手は発表済みで、カリー、クレイ・トンプソン、ドレイモンド・グリーンvsケビン・デュラントという対戦が実現するほか、チーム・レブロンでは、2年前キャブズを球団初優勝に導いたレブロン、カイリー・アービング、ケビン・ラブの『ビッグ3』が再結成される。

近年のオールスターゲームは、トップ選手同士のバトルには発展せず、『お祭り』ムードが優先される試合が続いている。直近2年続けて勝利チームの得点が190点を超えるなど大味な試合になり、ファンから「つまらない」という意見が多く聞かれた。今回の『キャプテン制』の試験導入も、そんな状況を改善するためのものだ。

リーグはさらなる改善策も準備していた。勝利チームの選手それぞれに10万ドル(約1100万円)のボーナスを支給することに決めたのだ。ちなみに負けたチームの選手には2万5000ドル(約270万円)の出場給が支払われる。その差は7万5000ドル(約820万円)。大金を稼ぐオールスター選手の生活を左右する金額ではないが、簡単に手放すには惜しい、絶妙の設定となっている。

チーム・カリーのリザーブに入ったセルティックスのアル・ホーフォードは、この『現ナマ』作戦が成功すると考えている一人。『ESPN』に「賞金がかかったことで、選手はより真剣にプレーすると思う。ここ何年かのオールスターゲームが面白くないというのは、僕たちも分かっていた。みんなしっかりプレーすると思うけど、賞金が刺激になってルーズボールにもダイブするようになるんじゃないかな」と語る。ウォリアーズのトンプソンも「間違いなく刺激になる。大金だからね」と、目の色を変えていた。

札束で選手を刺激する手法には賛否両論あるだろう。競争を煽ることで『お祭り』でケガ人が出るのは本末転倒でもある。それでも、第4クォーターの勝負どころでは全員が真剣モードでプレーする姿を見たい、というファン感情に応えるのはリーグと選手の義務でもある。

キャプテン制と勝利ボーナスの導入により、今年のオールスターゲームが近年にない盛り上がりを見せることは間違いなさそうだ。