A東京が先行するも滋賀がカムバック
アルバルク東京vs滋賀レイクスターズの第2戦。互いに点を取り合う乱打戦となったが、アレックス・カークのキャリアハイ40得点の大暴れに牽引されたA東京が88-81で競り勝った。
序盤、カークがショットブロックから自らゴール下を決めて先制すると、その後もインサイドで強さを発揮し、7得点を挙げてチームに流れをもたらす。カークと代わったブレンダン・レーンも、チームメートとの合わせからインサイドで7得点を記録し、ペイントエリアの得点で14-4と圧倒したA東京が24-16と先行した。
だが、前日の第1戦で59-81と大敗した滋賀にも意地がある。第2クォーターに入ると素早いローテーションとポジショニングによりA東京のタフショットを何度も誘発。堅守でリズムに乗ると、狩野祐介、ベンキー・ジョイスの3ポイントシュートなど攻めも機能して第2クォーター開始3分で28-27と逆転に成功する。しかし、司令塔の並里成が、第2クォーター残り3分半の場面で早くも個人ファウルが4に到達。滋賀は勢いが止まり、再び逆転を許した。
A東京に食らいつき接戦を演じた滋賀
滋賀は38-41と3点のビハインドを背負って後半に再びアクシデントに見舞われる。並里に続き、前半で10得点を挙げていた大黒柱のディオール・フィッシャーも、後半開始から2分強で4つ目のファウルをコールされベンチへ退くことになった。
司令塔とインサイドの大黒柱を失った滋賀だが、まだ踏ん張る力があった。ジョイスがボールをプッシュしてアタックを続け、8連続得点を挙げて食らいつく。その姿はチームに勇気を与え、長谷川智伸が6得点、小林遥太も4得点を挙げ、滋賀が25-24とこのクォーターを上回った。
A東京が65-63とわずかにリードして迎えた最終クォーター、カークが3点プレーとなるバスケット・カウントを決めれば、狩野が3ポイントシュートを返すなど、リードチェンジを繰り返す攻防が終盤まで続いていく。
それでもインサイドの攻防で上回ったA東京がジワジワとリードを広げる。ファウルのできない滋賀に対し、ピック&ロールからカークがペイントエリアに攻め入り9連続得点。一方の滋賀は頼みのジョイスがジャワッド・ウィリアムズに封じられた。残り55秒、カークがこの試合40得点目となるレイアップを沈め86-78。3ポゼッション差となったところで勝負は決した。
慌てない安定した試合運びがA東京の勝因に
勝利したルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチは「滋賀はどの試合でも勝てる実力があり、あなどれないチーム。その滋賀にしっかり2連勝できたのは良かった」と語る。また「最後の最後まで粘り、自分たちのペースで試合を進め、特に第4クォーターで勝ち切った試合でした」と、どんな状況になっても慌てない安定した試合運びを勝因に挙げた。ただ「我々はディフェンスに誇りを持つチームなので、81点を奪われたディフェンス面に関しては反省が残る」と、勝ちゲームにもしっかり注文を付けている。
一方、惜しくも敗れた滋賀のショーン・デニスヘッドコーチは「ミドルピック&ロールのシチュエーションでうまく対応できず、カーク選手に好きなところでボールをもらわれ、自由に得点を与えてしまった」と敗因を語った。
ディフェンスのアジャストも問題だったが、ファウルの多さも敗因となった。「手を使ってファウルをしてしまうところを直さないといけない。ファウルが多すぎて32本のフリースローにつながってしまった。この数字を見ても負けて当然」と指揮官は悔やむ。
それでも終盤まで接戦に持ち込み、「このリーグのベストチームのA東京に、勝てるチャンスがあるかもしれないという展開に持っていくことができたのは良かった」と収穫も得られている。実際、第1戦では完敗を喫したが、第2戦で持ち直したことはポジティブな要素。それでも連敗が6に伸び、西地区4位の大阪エヴェッサとのゲーム差が1に縮まってしまった。
A東京は連勝を6に伸ばし、リーグ首位をガッチリとキープ。シーズンは折り返しを迎え、これからは一つの勝敗がより大きな影響を与える。チャンピオンシップ進出、あるいは残留プレーオフ回避の戦いは、これからますます激化していく。
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