大浦颯太は、今年の2月に日本体育大から秋田ノーザンハピネッツに入団した22歳のポイントガード。プロデビューから1カ月、5試合に出場してチームにフィットしてきたところで、シーズンは終了してしまった。平均プレータイム7.8分で1.8得点、1.0リバウンド、1.0アシストが今シーズンの数字。そんな大浦に、プロとして歩み始めた今シーズンを振り返ってもらった。
「大学とはフィジカル面が全然違うと感じました」
──プロ選手になって取材を受けることも多くなったと思います。取材には慣れましたか?
結構受けていますが、まだ慣れません。プライベートではよくしゃべる方ですが、取材でちゃんと喋れているのか心配です(笑)。
──なるほど。それではよろしくお願いします(笑)。2月に秋田に入団しました。入団の決め手はなんだったのでしょうか?
兄がバスケット関係の仕事をしているんですが、レバンガ北海道の松島(良豪)選手も知り合いで、いろいろと相談に乗ってもらっていました。その中で、東地区はアルバルク東京や宇都宮ブレックスなどの強豪クラブと対戦することも多く、日本代表選手も多いので、秋田に入ってそういう選手と対戦することで成長できると思い、秋田への入団を決めました。
──今シーズンは5試合に出場しましたが、感触はどうでしたか?
東地区との対戦はサンロッカーズ渋谷戦しかなかったのですが、他地区の上位チームとも対戦できて、大学とはフィジカル面が全然違うと感じました。秋田の練習でもフィジカルの強さは感じていたんですが、5試合を経験してフィジカルをもっと強くしないとダメだと痛感しました。あと、パスやドリブル、シュートといった一つひとつの精度が低いので、プロで戦う上ではそこも上げて行きたいです。
──デビュー戦となった大阪エヴェッサ戦では、17分の出場で9得点2アシスト1スティールを記録し、チームも勝利しました。素晴らしいデビュー戦でしたが、ここまでできると思っていましたか?
大学最後のインカレの前に盲腸の手術をしたんです。それでインカレに出場できなくて、手術後は大学でシューティングはしていましたが、対人練習はしていない状況でした。秋田に合流して練習も2日ぐらいしかできていなかったので、まさかあんなにプレータイムをもらえるとは思っていませんでした。正直、復帰明けということもあって、「やってやる!」と気負うこともなかったんです。不安もあったし、できることをするしかないと思って挑んだので、あの結果を出せたことは良かったです。
──ヘッドコーチからはどのようなことを求められていますか?
秋田のガード陣の中では自分は身長が大きいので、そこは強みだと思っています。大学時代からもトランジションの早い展開に持ち込むプレーが得意だったので、秋田でも緩急あるバスケットをするようにと、ヘッドコーチから言われていました。
学生時代には1番も2番もやっていて、小学校の頃からアグレッシブに自分から攻めるプレースタイルなので、そこはプロになっても見失わずにやっていきたいです。
「早く広島の会場で試合をしたいです」
──秋田は若い選手も多く、中でも特別指定で入団していた多田武史選手の活躍は刺激になったのではないでしょうか?
彼の活躍は刺激になっていましたね。多田は試合に出てしっかりと自分の役割の3ポイントシュートを決めきっていました。同年代の選手の活躍を見ると、自分も頑張ろうと思います。
それでも、他のチーム同年代の選手のデビュー戦とかは意識することはなくて(笑)。Twitterとかで動画が出てきたら見るぐらいで、周りは気にせず自分のペースで頑張ります。
──大学時代の話も聞かせてください。大浦選手が入学した時の日本体育大学は関東2部でしたが、1部昇格を果たしました。目標を達成できた部分もありますが、最後のインカレには出場できず、不完全燃焼で終わった印象ですか?
3年生の頃に1部昇格しました。4年生の時に1部で戦ってみてリーグ戦でも4位になれたりと、戦えている手応えもありましたし、優勝も狙えると思っていました。その中での突然の盲腸で最後のインカレに出られなかったことは悔しかったですね。それでも、この悔しさはこれからのプロ生活で晴らしたいと思っています。
──大浦選手は広島出身の選手ですが、先日、地元の広島ドラゴンフライズのB1昇格が決まりました。やっぱり広島県民としてはうれしいですか?
そうですね。兄が昨シーズンまで広島でアシスタントコーチをしていて、今はスクールコーチをしていることもあり、やっぱりうれしいです。
早く広島の会場で試合をしたいですね。プロとしてプレーしているところを家族に見てもらいたいです。特におばあちゃんは遠くの会場にはなかなか行けないのですが、アウェーでも広島県内だったら来れると思うんです。なので、広島で試合ができるようになるのはすごく楽しみです。
「会場全体が僕たちのことを応援してくれること自体が初めての経験」
──プロ1年目のシーズンが新型コロナウイルスの影響で途中で終わってしまいました。
大学の卒業式もできませんでしたし、残念な気持ちです。2月にチームに合流して、これからいろいろな経験ができるという時に、コロナの影響で試合がなくなってしまったので、もう少し試合をしたかった気持ちはあります。
──プロになったなと実感したこと教えてください。
サインを書く機会が増えて、プロになったなという感じがしました(笑)。
──秋田と言えば『クレイジーピンク』の応援がすごいですが、実際に歓声を聞いてどうでしたか?
まず会場全体が僕たちのことを応援してくれること自体が初めての経験でした。そしてクレイジーピンクの皆さんは、一つひとつのプレーに対してすごく歓声を送ってくれるので、プレーしていてすごく楽しかったです。お客さんがバスケットを盛り上げてくれるんだということをすごく実感しました。
今シーズンはあまり皆さんの前でプレーを見せることができませんでしたが、これからも自分らしいバスケットをしていくので、応援よろしくお願いします!
プロ1年目の今シーズンは途中で終わってしまいましたが、Bリーグでも物応じしない大浦選手のプレーは見ていてもワクワクしましたね。将来は「日本代表になって世界で戦える選手になりたい」とのことなので、これからの活躍を期待しています!#Bリーグ #akitanhhttps://t.co/YHZJ4mXzHV pic.twitter.com/V9Ju7ScSwB
— バスケット・カウント (@basket_count) May 9, 2020
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