シーホース三河でシックスマンにチャレンジした川村卓也の「もどかしいシーズン」

シーホース三河でシックスマンにチャレンジした川村卓也の「もどかしいシーズン」

2020/05/15

川村卓也

不動のエースとして横浜ビー・コルセアーズを3シーズン牽引してきた川村卓也は、昨夏にシーホース三河へ移籍した。シックスマンという新たな役割を与えられ臨んだシーズンだったが、チームは黒星が先行することに。それでも、シーズン途中に川村が先発で起用されるようになるとチームは上向き、9連勝も記録した。結果的に中地区2位で終えた移籍1年目のシーズンを、川村はどのように評価するのか。

「『動物の森』に出かけて」リフレッシュ

──普段よりも早いオフシーズンを迎え、外出自粛が続きますが、現在はどのような生活を送っていますか?

朝起きる時間も変わらないですし、バスケットをやる時間が抜けただけで生活リズムは変わっていないです。子供の宿題を手伝ったり、遊び相手になったり、家にいるのも限界があるので空いてる時間帯を狙って公園に行くこともあります。僕自身はインドアな人間ではないので、家にいるのが苦痛なんですけど、子供とゲームをしたり、ボードゲームをしたりしています。

シーズン中はなかなか子供と過ごす時間を作れないので。子供と一緒に『動物の森』というゲームの中で異空間を作ることがマイブームですね。30分から1時間やって、時間を空けてまたその世界に行くことで、ゲームの状況が変わっているんです。長時間やればいいってことじゃないところも好きですね。8割方、子供ではなく僕の言う通りにして進めようとしてます(笑)。

──ハマりましたね(笑)。今のところ、外出できない以外に変わったことはありませんか?

僕がいることと、子供たちもずっと家にいることが普段と違いますが、毎年オフの時期はバスケから離れるスタイルなので、僕自身はいつものオフとあまり変わりません。

──では今シーズンについてうかがいます。シーズン途中にシックスマンから先発で起用されることになりチームも上向きました。こうした結果は予想外でしたか?

予想はしていなかったです。でも、今までのキャリアを振り返ると自分を評価してくれたコーチたちはスターティング5で使うのが大半だったので、シックスマンでいることのほうが違和感はありました。だから、スタートに戻された時は自分のリズムでバスケができていた印象が強いです。でも、今シーズンはシックスマンを極めるという大きなテーマがあったので、その期待に応えられなかったという思いが強いです。

川村卓也

「リーダーシップの表現の仕方を変えた」

──結果的にチームが上向いたことよりも、シックスマンの役割が果たせられなかったことが頭に残っているのですね。

僕がシックスマンでプレーできれば、このチームにはもっと幅が出ると思っていました。だからこそ悔しい、もどかしいシーズンでした。確かに自分がスタートになってチームが勝ったこともうれしいですけど、それだと今までと変わらないので。このチームに来て新しいことにチャンレジする立場としては、新しい自分を表現したかったです。

流れが作られた状況で出て行くシックスマンのほうが、先発よりも大変という意見を何人かの選手に聞いたことがあるのですが、今回体験してみて、その意見は間違っていなかったと感じました。

──個人としては悔しさが残るようですが、鈴木貴美一ヘッドコーチは「期待に応えた選手」に、川村選手のことを挙げていました。

ありがとうございまーす!(笑)

──特にリーダーシップについて高く評価したようですが、横浜時代もリーダーシップを発揮されてきたと思います。何か違いがあるのでしょうか?

リーダーシップの表現の仕方を変えたつもりです。過去3年間は自分のパフォーマンスをすることで周りがついて来てくれると思っていましたが、うまく巻き込むことができなかったです。周りがついてきてこそのリーダーだと思うので、自分を表現するのではなく、みんなの手足を上に引っ張っていくような存在でいたかったです。横浜では自分のパフォーマンス重視のリーダーシップで、勝てない時間が多く、周りとの距離が離れていきました。

今シーズンは怒った記憶があまりなく、笑っていたことが多いと思うんです。もちろん勝てなくて頭を下げがちな時もありましたが、昔はそういう時に孤立しがちな自分がいたけど、このチームに来てからは逆に声を出して嫌な雰囲気を払拭したいと思って行動していたので。

川村卓也

「カムバックできたことは非常に大きなこと」

──三河への移籍が決まった時点で自分を変えようと思っていたのですか?

横浜を退団した時ですね。周りがついてきて来れなかったり、自分を評価できなかった部分もあったので、喜怒哀楽の表現の仕方をもっと変えなきゃいけないと思いました。喜怒哀楽の『怒』と『哀』の割合を一割以下にすれば、うまくこのチームに溶け込めると思ったんです。ただでさえ、「我が強そう」とか、「絡みづらいだろうな」っていうイメージがあったと思うので。結果的にフランクな感じで、時間をかけずに今の三河に溶け込めたと思っています。

──後半に勝ち星を伸ばし、結果的に中地区2位でシーズンを終えました。紆余曲折あったと思いますが収穫は何でしょう?

誰も腐らなかったことですね。常勝軍団と言われていたことを考えると、結果が出ない時間は苦しいはずだし、その逆境に負けずに9連勝もしました。カムバックできたことは非常に大きなことですね。

僕は3年間結果が出せなかったので、そういう意味では耐えられました。周りの選手は免疫がない分苦しかったと思うのに誰も心が折れなかったです。

──なるほど。なおさら来シーズンへの期待が高まりますね。では最後にファンへのメッセージをお願いします。

今シーズンは不完全燃焼で、未完のまま終わってしまったと思っています。上り調子の中でシーズンが終わってしまったので、心の火は消えていません。あれだけ負け続けても青で染めてくれたブースターの皆さんに、次のシーズンは完成されたチームを見せたいです

同年代で引退する選手も出てきているので、1年1年、1ゲーム1ゲームを大切にして、みんなの心に何かを届けられる選手でありたいと僕は思っています。

1件のコメント

  • 鈴木 健一郎 鈴木 健一郎 より:

    先発に回ってスタッツを安定して残したシーズン中盤の方に手応えがあるかと思いきや、川村選手が語ったのはその逆でした。ただ、「リーダーシップの表現の仕方を変えた」というのは見ている側の印象通りだと思います。ヤンチャで奔放な海賊ビーコル、優等生タイプが多い三河という印象の2チームを移る中で、自分がどうあるべきか考えて実行できるのは川村選手らしいなあ、と。来シーズンも「みんなの心に何かを届けられる選手でありたい」の有言実行でお願いします!

RECOMMEND