琉球ゴールデンキングスが天皇杯で得た『手痛い教訓』、岸本隆一が抱く『危機感』

2018/01/17
Bリーグ&国内
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文・写真=鈴木栄一

川崎との対戦で見せ付けられた実力の差、経験の差

今シーズンの琉球ゴールデンキングスは、チャンピオンシップ出場こそ果たすも29勝31敗と勝率5割以下に終わった昨シーズンから一転、今回の中断期間までに21勝7敗とリーグ全体で3位の高勝率をマークしていた。

だからこそ、天皇杯でどこまで上位に進出できるのか注目を集めたのだが、結果はベスト8で川崎ブレイブサンダースに61-81と大敗。真の強豪と呼ばれるにはまだまだレベルアップが必要であることを痛感させられる結果となってしまった。

キャプテンを務める岸本隆一は第一に、一発勝負の大一番における経験が常勝チームの川崎と比べると圧倒的に足りなかったと振り返る。「負け惜しみみたいになってしまいますが、実力の差は点差ほどはないと思います。ただ、大舞台でプレーしている場数が違った。川崎は一発勝負の舞台や、落とせない試合に対しての経験があると試合中に思いました。僕らがアグレッシブにプレーしようとする中、向こうは落ち着いてプレーしており、経験の差がすごく大きかったと感じました」

琉球にも今オフに加入した古川孝敏、石崎巧にアイラ・ブラウン、ヒルトン・アームストロングなど短期決戦の大一番を経験している選手たちはいる。しかし、それはあくまで個々の経験であり、チームとしての積み重ねてきたものの差を埋めるまでにいかなかった。そして、昨年は決勝で敗れた雪辱を期す川崎に比べて気迫の面でも差があった。

「大舞台の経験に加え、川崎は去年のメンバーから変わっていないところでの差がありました。プラス、去年の悔しさも併せ持っていて、川崎が勝つべくして勝った試合。僕らは負けるべくして負けました」

「僕も含めて過信していた部分もあった」

冒頭で紹介したように、琉球はレギュラーシーズンで順調に勝ち星を伸ばしてきた。しかし、所属する西地区は、昨シーズン勝率5割以下のチームとB2からの昇格組で構成されている。その意味で、強豪揃いの激戦区である東地区にいる川崎との対戦は、琉球が成績どおりの実力を持つのか、チームとしての真価を問うことができる試合だったが、そこで厳しい現実を突きつけられた。

「タフな試合をどれだけ乗り越えてきているかという部分で、川崎のほうが全然上だと思いました。僕らは西地区で勝っていく中で、『自分たちはできる』という感覚を持ちすぎた。自信を持つことは良いことですが、僕も含めて過信していた部分も絶対にあったと思います」

このように語る岸本は、さらに『これくらいやれば勝てる』という感覚に大きな違いがあったと、自らを律する。

「感覚のレベルは違いました。もっとやらないといけないです。一発勝負ですごい観衆、大きい会場でやる時は、いつも以上にディフェンスをハードにやらなければいけないです。それなのに負けている時、オフェンスで取り返そうとしてアウトサイドシュートが多くなったり、僕も含めて課題は挙げたらきりがないです。戦い方を分かっていたつもりになっていましたが、実際は分かっていなかった。どういう状況でも対応できるように、もっとタフな練習をやっていかないといけないです」

「これから、いかに自分たちを追い込むか」

「冷や水どころじゃなくて、超冷水を浴びせられたと思います」と締めくくった岸本だが、だからこそ以下の思いをより強く持ったことも確かだ。

「これから、いかに自分たちを追い込むかだと思います。確かに西地区で勝っていて暫定1位ではあるけれど、何かを成し遂げたわけではない。『このままじゃいけないんだ』という危機感を練習から持って取り組まなければと思わされた試合でした。そこはこれからのリーグ戦に生かしていかなければいけないです」

リーグ戦を順調に歩んできたとはいえ、自分たちの目標とするチャンピオンの座までの距離はまだまだ遠いことを琉球は今回の天皇杯、これでもかと痛感しただろう。だが、レギュラーシーズンの折り返し地点で、自分たちの位置をしっかりと把握できたのは大きなプラスだ。

4月7日、8日と琉球は川崎をホームで迎え撃つ。この時、さいたまスーパーアリーナでの雪辱を果たせるだけのチームになっているか。それは、琉球がチャンピオンシップで勝ち進んでいける真の強豪の力を持っているかの試金石となるはずだ。