衝突を繰り返したドレイモンド・グリーンとスティーブ・カー、両者の関係を繋ぎとめた『一通の手紙』

衝突を繰り返したドレイモンド・グリーンとスティーブ・カー、両者の関係を繋ぎとめた『一通の手紙』

2020/04/26

スティーブ・カー

「冒頭だけ読んで捨てた、それ以上は必要なかった」

ウォリアーズは2014-15シーズンから5年続けてNBAファイナルに進出し、その間に3度の優勝を果たした。ケビン・デュラントが加わってからはリーグ一強と呼ばれるほどに強く、隙のないチームとなった。

しかし、デュラントが加わる1年前の2015-16シーズン、ウォリアーズの中心を担うヘッドコーチのスティーブ・カーとドレイモンド・グリーンが頻繁に衝突し、チーム崩壊に繋がる危険性があった。特に2人の争いが大きく取り沙汰されたのは2016年2月27日に敵地で行われたサンダー戦で、ハーフタイムに2人は激しい口論となり、他の選手たちが間に入ってようやく収まったと言われている。

ポッドキャスト番組『All the Smoke』に出演したグリーンは、この時期に「あと一言でも何か言われたらキレるところだった」とカーとの関係が悪かったことを認める。

それでも、ギリギリのところで両者の関係を繋ぎとめたのは、カーから送られた手紙だった。フィラデルフィアでの遠征中にもらった手紙について、グリーンはこう話す。

「スティーブから便箋4枚の手紙をもらった。ただ、中身については話せない。冒頭部分を読んで捨ててしまったからね。そこには『君に手紙で気持ちを伝えたい。僕らは最近ぶつかってばかりで、君もフラストレーションを溜め込んでいるだろう」と書かれてあった。そこまで読んで、手紙は捨てた」

グリーンが手紙を最後まで読まなかったのは、カーに対する怒りからではなかった。すべてを読まずとも気持ちが理解できたからだ。

「彼は自分を理解しようとしてくれていた。時間を費やして理解しようとしてくれていたんだ。それ以上は必要なかった。フィラデルフィアでのことは生涯忘れない」

「手紙を渡されてから数日は開けもしなかった。書き出しの部分しか読まずに捨てたから、残りの内容は分からない。でも、スティーブが自分を理解しようとしてくれたのがうれしかったし、自分がキレそうだったことも知っていた。彼は一線を超えなかったし、手紙だったら言い合いにもならないからね」

この年のウォリアーズは73勝9敗を記録して年間最多勝利記録を更新したものの、NBAファイナルではレブロン・ジェームズのキャバリアーズを相手に3勝1敗と王手をかけながら、第5戦からの3連敗で敗れた。ただ、同年のウォリアーズは、間違いなくNBA史上最高のチームの一つだ。

サンダー戦での騒動があったのは、グリーンがカーの手紙を読んだ1カ月後。ここで2人は再びやりあったが、もしあの手紙がなければ、あの時点で2人の関係性は終わっていたかもしれない。

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