文=鈴木健一郎 写真=鈴木栄一

今年も石井講祐の乾杯で『勝利の宴』がスタート

さいたまスーパーアリーナで行われた天皇杯決勝でシーホース三河を破り、連覇を成し遂げた千葉ジェッツが都内で祝勝会を行った。昨年に続き、乾杯の音頭を取ったのは石井講祐。主賓挨拶で「石井選手の3ポイントシュートだけ入りませんでしたが」とイジられて、頭をかきながら登場したが(実際は6本中1本成功)、「皆さんのおかげで優勝することができました。去年、連覇したらまた乾杯すると約束していたので、今回もやらせていただきます」と挨拶した。

昨年と同様、あらたまった会ではなく、優勝当日にテンション冷めやらぬまま労をねぎらうアットホームな祝勝会。勝利の美酒を味わい、仲間の肩を叩きつつ勝利の喜びを噛み締めた。

今夏にサンロッカーズ渋谷から加入し、千葉ジェッツの代名詞である高速トランジションをさらに加速させたアキ・チェンバースは、日立時代に続く2度目の天皇杯優勝を祝い、「今はみんなが笑顔で大会を終えられて良かった。良い形で1年のスタートを切ることができてエキサイティングな気分だ」とコートでは見せない柔らかな表情を見せる。

千葉に加入して最初のタイトルを獲得。「みんなから期待されているので失望させたくない。チームのスタイルは自分にフィットしていて、ここまではうまく行っているよ」と手応えを語る。富樫勇樹をケガで欠く中での戦いとなったが「やることは全く同じなんだ」とアキは言う。「チームとして戦い、ボールをよく動かして攻めるだけだよ。スタートはスローだったけど、そこから調子を取り戻しチームに貢献できたと思う」

勝利の美酒に酔っていられるのはわずかな時間だけ

左大腿四頭筋挫傷のケガによりファイナルラウンド開幕の前日に欠場が決まった富樫勇樹も元気に参加。主役を演じた去年とは違い、1分もプレーしないまま優勝に立ち会うことになったが、その喜びをこう表現する。「去年と変わらずうれしいです。いや、去年以上にうれしいかもしれません。やっぱり連覇は一つ優勝するより何倍も難しいので、それを達成できたことはすごいと思います」

決勝には松葉杖をついてベンチ入り。まだ時間がかかりそうだが「チームは僕抜きでも優勝できる力を持っているので、焦らずにしっかり治します」と余裕の笑みを見せた。

もっとも、勝利の美酒に酔っていられるのはわずかな時間だけ。20日にはリーグ戦が再開される。千葉はここまで19勝9敗で東地区2位のプレーオフ圏内に位置しているが、すぐ後ろには川崎ブレイブサンダースとサンロッカーズ渋谷が迫っており油断はできない。また昨シーズンのチャンピオンシップの結末を考えれば、22勝6敗のアルバルク東京に代わって首位に立ち、チャンピオンシップの準決勝をホームで開催したいところだ。

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