文=丸山素行 写真=日本バスケットボール協会、鈴木栄一

「ディフェンス、リバウンド、ルーズボール」

天皇杯ファイナルラウンドが昨日から始まり、シーホース三河は新潟アルビレックスに24点差をつける貫禄勝ちを収めた。

この試合、序盤は金丸晃輔のシュートが決まらず新潟に先行されるも、1本目の3ポイントシュートが決まると、そこから4本連続で3ポイントシュートを成功させ逆転した。「1本目が入ったら2本目は絶対に打つと決めているので、それが立て続けに何回も来ただけです」と涼しい顔で金丸は答えた。

「何回も来ただけ」と簡単に言うが、その後も金丸の長距離砲は止まらず、10本中7本の3ポイントシュートを成功させ、ゲームハイの25得点を挙げた。「当たっている選手にどんどんボールを集めるのはウチの良いところ。前半は僕にボールを集めてくれたので、それがあっての僕の3ポイントでした」

どうしても得点面に目が向くが、金丸としてはディフェンスマインドが重要と言う。「こういう試合はオフェンスを頑張るよりもディフェンス、リバウンド、あとはルーズボールなど、シンプルなことをやり続ければ自分たちのプレーが出てくるので、短期決戦でそれだけはしっかりやろうと決めていました」

その結果、球際の争いにも勝ち、強固なチームディフェンスを披露して、ほぼすべてのスタッツで新潟を上回った。「いつもだったら僕はオフェンスから入ってしまいがちですが、今日はディフェンスをやったつもりです。そこからリズムを作れた感じです」

「3つのことを徹底して2試合やるだけ」

今年初めての試合で幸先の良いパフォーマンスを見せた金丸だが、「年末に試合がありましたし、一切そういう気分はなかったです」と新年の実感は乏しいという。

暦通りにはいかないタフなスケジュールではあるが、「ずっと動いてるのでコンディションは保てますよね」とプラスにとらえている。というのも、オフにはとことん休むのが金丸スタイルだからだ。「休みになるとボールも触らないようにしますし完全オフにするので。だから多分、僕の場合は動いていたほうがいいとは思います」

釣り好きで知られる金丸。「1月は一番寒いし、釣れないので行かないです。だから道具を見たり、片付けたり、行かない時はメンテナンスをしないといけないですから」と笑顔を見せた。釣りにいけなくても釣りにかかわることであればそれでいいのだ。

年末年始に特別な休みがない選手にとっては、この天皇杯が新年を感じる大事な機会となる。明日の準決勝は川崎ブレイブサンダースとの対戦が待っている。

「リーグだったら次に修正できますが、負けたら終わりでそれができないので、みんなそれぞれ思いがあると思います。さっき言った3つのことを徹底するだけですね。そうしたら自然とみんな上がってきて良いプレーができます。ウチが良い時はそういうことをやっているので、それをあと2試合やるだけです」と気負わずに自然体で優勝への意気込みを語った。

川崎との準決勝は明日の18時ティップオフ。強力なオフェンスだけでなく、ディフェンスにも注目だ。

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