竹田謙

新型コロナウイルスの感染拡大により、Bリーグはシーズン途中での中止を余儀なくされた。緊急事態宣言が発令されるなど日常生活の自由が制限されていく中、Bリーガーはどのように日常を過ごしているのか。今回は横浜ビー・コルセアーズの大ベテラン、竹田謙に話を聞いた。

震災と今の状況は「似ている」

──シーズンが終了となったことに複雑な思いを抱えているとは思いますが、現在はどのような生活を送っていますか?

チームは上り調子で、最後の20試合で一気に行くぞという雰囲気ができ始めていたので、それは本当に悔しいところです。ただ状況が状況なので、新型コロナウイルスが収まるのを待つしかありません。チームも活動中止になってしまったので、基本的には家にずっといる感じですね。

──竹田選手はキャリアが長く、東日本大震災も経験しています。比較すること自体がナンセンスかもしれませんが、この状況をどのように感じていますか?

あの時は金曜日だったので、ブレックスアリーナで前日練習している最中でした。体育館の外に逃げましたが、その後に天井が落ちてきたと聞いたので尋常じゃないぐらい焦りましたね。本当に危機一髪で、叫んでる外国籍選手もいました。

正直、瞬間的にバッと来たので、怖さで言ったら地震の方が怖かったです。ただ、その後の状況はやっぱり似ていると思いました。当時も日本中がショックを受けて何もできないところから、少しずつ自分たちができることをやっていこうと活動していたので。そこは似ていると感じますね。

──現在練習もできない状況で、感染予防や安全の面で気を付けていることはありますか?

基本的には人に会わないようにしています。家の近くに実家があって、すぐ近くに両親もいるんですけど、実家には行かず基本的になるべく自分の家族以外は屋外で会わないようにしています。手洗いとかその他の予防はもちろんやっています。

竹田謙

「僕はエアロばないです(笑)」

──お子さんがいるご家庭はより大変だと思いますが、実際に苦労することは多いですか?

そうですね、友達に会いたいとかみんなストレスが溜まっていると思います。進級の時期なのでクラスが変わったり、友達と離れたりというのもある中で、ちょっと可哀そうだなと思うところもあります。

やっぱり外で遊べないとストレスが溜まってしまうので、少しでもそれを和らげようと庭にテントを建てて子供を遊ばせています。この取材もテントの中からお送りしています(笑)。

──それは感染予防も含めてグッドアイディアですね!

一応は屋外ですし、子供の時ってこういうの楽しいじゃないですか、自分の新しい部屋みたいな感じにもなって。ウチはマンションなんですけど、1階なのでテラスがついているんです。『テラスハウス』ですね(笑)。

──リアルテラスハウスじゃないですか(笑)!

普段しないようなことをいろいろと試して工夫しています。

──折茂武彦選手が引退すると、竹田選手がB1の日本人選手で最年長となります。ベテランとしてBリーグを背負っていかないといけないと感じたりはしないですか?

僕は『兄貴感』が全くないので、そういう気持ちがある人にお任せします。いろんな選手がいて、発信力がある人もいれば、エアロビが上手いやつもいますからね(笑)。

──ちょいちょいイジりますね。竹田選手はやらないのですか?

いやあ、僕はエアロばないです(笑)。皆この状況でファンを楽しませようといろんなことをやっていますよね。すごいなと思って、僕は見ています(笑)。

──では最後に、バスケロスなファンの皆様へのメッセージをお願いします。

無観客で試合をしたり、試合がなくなっている中、試合会場で応援されることのうれしさやファンの人たちと接することの大切さをすごく感じました。それがどれだけ力になっているかというのを感じることができたので、この状況が収まって、また楽しくワイワイと面と向かって会える日をすごく楽しみにしています。今やらなければいけないことをやって、エネルギーを溜めて、また喜びをぶつけ合える時間が来るのを楽しみにしています。