「遅れを取らないように最新の設備を用意した」
新型コロナウイルスの影響でNBAが2019-20シーズンを中断してから約1カ月が過ぎ、コミッショナーのアダム・シルバーは今後のスケジュールについての判断は5月1日まで一切しないと発表した。NBA関係者は事態を静観しているが、選手はシーズン再開の目処が立っていない中でコンディションの調整を強いられている。
トレイルブレイザーズのベテラン、カーメロ・アンソニーもその一人だ。今シーズン途中でブレイザーズに加入したカーメロは中断前まで50試合に先発出場し、平均15.3得点、6.3リバウンドを記録している。
カーメロはコートに立てない時間をすでに経験している。2018-19シーズン中ロケッツから解雇されてから約1年間はNBAでプレーする機会がなかった。しかし、NBAのチームからいつ声がかかっても良いようにトレーニングを続け復帰の機会を待っていた。彼はサンダーのクリス・ポールとのInstagram Liveで、その難しさを語っている。
「先が見えない中で準備をするのはとても難しいことだ。リーグがこの先どうなるか分からないし、いつ再開されるのかも分からない。どんな形で再開されるのかも不明だ。この未知の状態と付き合っていくのが難しいんだ。練習をどれくらい激しく行うか、週に何回行うべきかの答えもない。人によってアプローチの仕方は違うけれど、準備は完璧にしなくてはいけないし、気が抜けないね」
他の選手同様、チームの練習施設が利用できないカーメロは自宅にジムを作り、そこでトレーニングをしながらコンディションを整えている。「自宅をジムに改造したよ。バイクにウェイト、ケトルベルにダンベル、ストレッチ用の器具まで必要なものは全部揃えた。遅れを取らないように最新の設備を用意したんだ」
チームは西カンファレンスで8位グリズリーズと3.5ゲーム差の9位とプレーオフを狙える位置にいる。ただ、シーズン再開から数試合をコンディションと試合勘を取り戻すために無駄にする余裕はない。カーメロは今シーズンここまで50試合に出場したが、1年間に及ぶ試合への飢えはまだ満たされていないのだろう。
カーメロのように経験豊富なベテランはプレーオフを狙うブレイザーズにとって力強い存在だ。シーズンがどのような形で再開されるにしても、その経験は大きな力になりそうだ。それまでは自宅のジムで、トレードマークのフードをかぶってトレーニングを続けることになる。