文=丸山素行 写真=小永吉陽子

チームの事情でインサイドでプレー

ウインターカップ3日目、聖和学園(宮城)が東京成徳大学(東京)に挑んだ。序盤こそリズムの良い展開から20-11とリードした聖和学園だったが、タイムアウトを機に4-21と圧倒され第1クォーターを落とした。その後もインサイドで失点を重ね、トランジションから速攻を許し82-101で敗れ、聖和学園の冬は終わった。

2年生エースとしてチームを牽引した今野紀花は、チームハイの25得点に加え12リバウンド6アシストと孤軍奮闘したが、チームは敗れ肩を落とした。

今野は182cmと長身ながらシューティングガードを務め、U-18代表にも選出されている。だが大きな選手がいないチーム事情により、U-18代表候補のセンター、大原咲織とマッチアップする機会が多くあった。

「今日は得点で貢献しようと思っていたので、それはできたんですけど、センターについた時に守り切れなかったのが悔しいです」と大原に24点を許しインサイドでイニシアチブを握られたことを反省点に挙げた。

能力は間違いなく高いだけに、彼女にかかる期待は大きい。

「今野さんは和を大事にするので、チームの中ではバランス良く働いてくれます。でも何点取ったかとかそういうことにこだわって、勝負を自分一人で決めるくらいの選手になってもらいたい」と小野裕コーチ。

「ガードとしてゲームを作ったり、組み立てる役割をできるようになりたい」と、やはり上のポジションでプレーしたいと明かした今野。それでも「波が激しいので必ず決めきれる選手にならないといけないです」とエースとしての自覚はすでに見せ始めている。

得点、アシスト、リバウンドとすべて高い水準でできるオールラウンダーな今野。エースの気概をまとい、もう一段階段を上った今野の成長した姿を、来年のこの場所で見てみたいものだ。