文=丸山素行 写真=小永吉陽子

自分がリーダーとして中心に

ウインターカップ男子1回戦、北陸学院(石川)は県立佐賀東(佐賀)と対戦し、90-54で勝利した。

この試合、20分弱の出場で24得点8リバウンドを記録し、強烈なインパクトを与えたのが北陸学院の大倉颯太だ。184cmの大倉は非凡なシュート力で得点を量産し、味方を生かすアシストやゲームメーク、当たり負けしないフィジカルなど、どれも高水準な選手だ。今大会の中でも屈指のオールラウンドプレーヤーだと言える。

そんな大倉だが、24得点という数字を残したものの、自身の出来については「悪くはなかった」と及第点だった様子。「後半リードしてる時にコート内のコミュニケーションが減ってしまって、ずっと同じ気持ちでやれてなかった」と点差が開いたことで集中力が低下したことを反省点に挙げた。

その言葉が示すように、大倉は個人的な数字よりもチームの中での役割を強調する。「ターンオーバーがなくて、リバウンドやスティール、ルーズボールに自分が絡む時はチームの流れが良いんです。自分はリーダーとしてチームの中心にいるので、自分のターンオーバーが一番ダメです」

大倉は何度もダブルチームを受け、プレッシャーをかけられた。並の選手であればボールを失ってもおかしくない場面が多々あったが落ち着いて対応し、ボールを失うことはなかった。

だが、そんな大倉が一つだけミスを犯した。それは速攻でチームメートへのパスが強すぎた場面だ。「良い流れに来てる時にパスミスをしてしまいました。準備ができていない2年生に自分の感覚で出してしまったんです。相手に合わせなきゃいけないところですし、雑になった部分があったので改善していかなきゃダメですね」

「良い時も悪い時も自分がリーダーとして中心にいて、40分間チームとして戦うことを一番大事にしています」とエースとしての自覚を持ち、チームの責任を一手に引き受ける。

その得点力やバスケIQの高いプレー、華麗なアシストなどは一見の価値アリだ。北陸学院は明日14時に九州学院(熊本)と対戦する。