文=丸山素行 写真=B.LEAGUE

6連敗を喫して4勝17敗、リーグ最下位に転落

横浜ビー・コルセアーズは先週末の栃木ブレックス戦に敗れ6連敗を喫し、4勝17敗とリーグ最下位に沈んだ。栃木との連戦、第1戦では粘りを見せるも序盤に背負ったビハインドが響き、第2戦では第3クォーターまで2点差とクロスゲームを演じるも最後は崩れてしまった。

開幕から主力選手のケガが相次ぐ状況、厳しい戦いが今なお続いている。序盤で外国籍選手の入れ替えを余儀なくされ、チームとしての完成度が低い。221cmのハシーム・サビート・マンカを強調するのは自然な流れだが、個での打開が多くチームとして機能しているとは言えない。サビートは得点やリバウンド、ブロックショットでスタッツとインパクトの両方を残す一方で、ファウルトラブルやターンオーバーで諸刃の剣となるケースもある。

ポイントガードの細谷将司も歯がゆそうな表情を浮かべながら「あと少しのところまで来ている」とコメントした。「インサイドを中心にやっていますが、人が寄ってからのパスアウトがまだこのチームにはないので。そこからのパスアウトがあっての次のエクストラパスがある。そこがまだ全然できていない」

栃木との2戦で犯したターンオーバーは38。ムービングスクリーンやファンブル、簡単なパスミスなど、少しの意識で変わるはずのものが欠けている。

「ちょっと信じられない数です」と細谷は言う。「新しいこともやっていますが、仕方ないとは言えないです。一つひとつのドリブルやパスにしても意識の問題で、あとはスクリーンをしっかりかけるだったり、そういう細かいところができていません」

トーマス・ウィスマンを迎え、テコ入れに着手

そんな横浜の変化は、11月末にトーマス・ウィスマンをアドバイザーに迎えたことだ。栃木をBリーグ初代王者に導いたウィスマンは、まさに細谷が指摘する細かい部分のテコ入れに着手している。「トムがきてからそうしたインサイドとのコミュニケーションの意識だったり、走るバスケットもできてました。トムが来てからはそういうところをすごく意識しようとしているので、これからだと思うんです」と細谷は言う。

ヘッドコーチ代行の尺野将太も、2戦目を終えてチームの状態をこう説明する。「第3クォーターまでを乗り切ることができたというのは、先週までと違って大きな一歩です」。粘り強さは少しずつ出ている。これも細谷の言う「あと少しのところまで来ている」なのだろう。

ただ、「あと少し」が簡単ではないのがバスケットボールだ。リーグ最下位の得点力不足を解消するのは急務だ。特にコールプレーの際、時間がかかりすぎてしまい最終的にタフショットを強いられる場面が目立つ。「インサイドを使うとなると、そこまでいくのに5秒、長くて10秒くらいかかってしまう。結局インサイドに入って残り8秒とか5秒とかになると苦しいです」と細谷も感じている。

「成長の兆しは感じています」

コールプレー中の細谷に注目すると、ドライブで抜けるのではないかというシーンが度々見受けられる。昨シーズンは39得点を挙げた試合もあり、得点面の貢献も大きかった細谷だが、今シーズンは平均5.3得点と数字を落としている。

「昨シーズンは良い意味で好き勝手できました」と細谷は言う。「でも今シーズンはインサイドの2人がいますし、その中でタク(川村卓也)さんもいて、それを崩してしまうと……」と歯切れが悪い。

コントロールに徹するガードとしての役割と、細谷の代名詞である『アグレッシブ』さが今は噛み合っていない状況だ。それでも「苦しんではいますけど、僕自身成長の兆しは感じています。常に自分の役割を意識しつつ、とにかくいつ爆発してもいいようにしっかり準備はしています」と決して下は向かない。

「今週にもJP(ジェフリー・パーマー)が復帰すると思います。JPは走れるし外も打てる選手で、ボールも回るようになるので、そこでまた一つ変わっていくんじゃないかと思います。プロである以上やるしかないので、勝つしかないです」と必勝を誓った。

向上の兆しが見えないわけではない。だが、今のチームに必要なのは勝利だ。明日は昨シーズンの残留プレーオフで敗れた富山グラウジーズとの一戦が待ち受ける。チームが浮上するには細谷の覚醒も必要となる。