フォーム改造が成功し得点力もアップ
ペリカンズには、スーパールーキー、ザイオン・ウィリアムソンの影に隠れて急成長を遂げているもう1人の若手がいる。それは22歳の若さでチームの司令塔を任されているロンゾ・ボールだ。
ボールは3月4日、5日の連戦でキャリア初の連続25得点以上をマークし、直近の5試合での平均得点は20点を超えている。8日のティンバーウルブズ戦では18得点5リバウンド8アシスト2スティールを記録し、チームの120-107での勝利に貢献した。
ザイオンがデビューしてから、ボールは効率的なスコアラーへと進化した。スタッツはほぼ全カテゴリーで向上、特にアシストは1試合平均2以上増え、フィールドゴールアテンプトは平均1.5少なくなっているにもかかわらず得点は増えている。また3ポイントシュートとフィールドゴールの成功率はそれぞれ約7%、6%上昇している。
ボールは性格的に注目を集めたがる選手ではなく、プレーに関してもシュートよりパスを優先する選手だ。ボールがドラフト2位で入団したレイカーズは彼をアグレッシブなスコアラーに育てたかったが、結局それは彼のスタイルではなかった。プレーが消極的だと判断されたボールはトレードでペリカンズへ放出された。
しかし、パスを第一に考えるボールは、優秀なスコアラーが揃う今のペリカンズには完璧にフィットしている。特に相手が誰であれ得点を取れるザイオンとのコンビネーションは見事だ。効率よく得点を取れるようになったのも、ザイオンが相手ディフェンダーを引きつけスペースを作ってくれるおかげだろう。
また、シュートフォームの改造が成功していることも大きい。ボールのシュートフォームは変則的で、バスケットボールを離す直前に頭の左へ持ってくる癖があった。フォーム改造は結果が出るまで時間がかかることが多いが、ボールの場合は早くも結果に現れている。今シーズン、3ポイントシュート成功率はキャリアハイの数字を残しており、本人も自信を持って3ポイントシュートを打っている。
スーパールーキーのザイオン、オールスター選手のブランドン・イングラムの影で着実に進化を続け、正当な評価を勝ち取ったボール。かつてのドラフトの『失敗作』はリーグ有数のパサー&シューターへと変貌した。