「強いて挙げればカワイ・レナード」
王朝を築いたウォリアーズの大成功により、今でこそNBAの主流となった『スモールボール』だが、少し前まではプレーオフでは勝てない戦術として見られていた。
サイズにこだわらず、機動力重視の『スモールボール』は、バックス、マーベリックス、ウォリアーズなどで指揮を執り、バスケットボール殿堂入りを果たした名伯楽ドン・ネルソンが最初に提案したと言われている。後にサンズでマイク・ダントーニが『スモールボール』を採用し、スティーブ・ナッシュを中心とするチームを作ってNBAに旋風を巻き起こした。
当時のサンズの中心選手の一人だったショーン・マリオンは、201cmながらもパワーフォワードとして起用され、攻守両面でチームに貢献した選手。シュートフォームは独特だったが、全盛期には1試合20得点10リバウンドをコンスタントに記録し、『スモールボール』に欠かせないタイプの存在だった。そのマリオンが『HoopsHype』のインタビューで、現代の選手の中で自身に近い選手について聞かれ、クリッパーズのカワイ・レナードとポール・ジョージの名前を挙げたものの、「自分に似た選手はいない」と答えた。
「何人か近い選手はいるけれど、そこまで自分と似たタイプではないね。強いて挙げれば、カワイ・レナード。彼は攻守両面で粘り強い。ポール・ジョージも近いかもしれないね。でも、リバウンドだったり、その他の細々とした動き、特にディフェンスに関して言えば、僕と彼らとでは異なる」
「近いものはある。ただ、大半の部分が違うので、今のリーグに自分と近い選手はいないね。
自分が現役時代にやっていたようなプレーを、僕と同じサイズでやっている選手はいない」
NBAで16年プレーし、キャリア平均15.2得点、8.7リバウンド、1.9アシスト、1.1ブロック、1.5スティール、を記録したマリオンは、2011年にマブスの優勝に貢献した。『元祖スモールボール』を知るマリオンが唸るような選手が現れた時、彼が何と言うのか聞いてみたいものだ。