男子日本代表

指揮官ラマス「ポゼッションごとの失点数を意識」

FIBAアジアカップ2021予選は、今夜のチャイニーズタイペイ戦からスタートする。新型コロナウイルスの影響でホームでの中国戦が延期となり、アウェーでのチャイニーズタイペイ戦は無観客で実施されることになった。

一昨日に台北入りした日本代表は昨日、会場となる臺北和平籃球館で前日練習を行った。台湾も新型コロナウイルスの影響で厳戒態勢となっているが、コート上での選手たちはいつも通りにリラックスした表情で試合への準備を進めていた。

ヘッドコーチのフリオ・ラマスは「すごく特殊なケースで、もちろん楽しい状況ではない。バスケットは観客がいてこそのスポーツなので、今回のことは残念」と語る。

それでも、特殊なシチュエーションは言い訳にはならない。チャイニーズタイペイに負けるようなことがあれば、日本代表はアジアで勝つことに汲々とする過去に逆戻りしてしまう。

現在と過去、2つの時代を知る比江島慎は、「世界を僕らは経験しているわけで、こんなところでつまづいてる場合じゃない」と言い切る。ワールドカップ予選では2年前の2月に辻直人の3ポイントシュート連発があったにもかかわらず競り負ける悔しい敗戦があり、その後にオーストラリアに完勝した直後に100点ゲームでの圧勝劇もあった。比江島がイメージしているのは後者で、このままアジアレベルは超越するという意気込みを持っている。

「全く負けるイメージはないです。でも油断もありません。前ほど点差はつかないかもしれないけど、勝つのは当たり前で、内容のある勝ち方をしたいです。今回は相手に帰化選手がいない状況なので、本当に勝たなきゃいけない」

かつて日本を再三苦しめたチャイニーズタイペイの帰化選手、クインシー・デイビスは今回は招集外。インサイドの大黒柱が不在となり、得点の面でもリバウンドの面でも日本は優位に立てるはず。一方で日本は新たな帰化選手、ライアン・ロシターをチームに加えた。同じくBリーグでは圧倒的なスコアラーとしての実力を示す金丸晃輔も招集された。

ラマスの期待は、ロシターにはゴール下でのディフェンスを主としたハードワーク、金丸には3ポイントシュートに向けられている。ワールドカップで足りなかった要素を、選手を入れ替えることで埋めようとしてきた。2人についてラマスは「できるだけこのチームの中でフィットができていることを願う。新しいチームメートと良い連係が取れるようコートに立ってほしい」と期待を語る。

今回の試合における一番のテーマはディフェンス。激しくプレッシャーをかけ、シュートチェックに行き、オフボールでのコンタクトも厭わずに仕掛けていく。ラマスは「ディフェンスではポゼッションごとの失点数を意識している。0.9に抑えたい」と語る。またオフェンスでは「しっかり速攻を走って良い点が取れるように。セットプレーは今まで練習した通りにやってくれれば良い結果は出ると思う」と語る。

日本代表はワールドカップ予選での成長を先に繋げ、またワールドカップでの悔しい思いを力に変えることができるのか。それを証明するためのチャイニーズタイペイ戦は、今日20時ティップオフとなる。

FIBAアジアカップ2021予選Window1 チャイニーズタイペイ戦出場メンバー

#0 ライアン・ロシター(PF/宇都宮ブレックス)
#1 安藤誓哉(PG/アルバルク東京)
#2 富樫勇樹(PG/千葉ジェッツ)
#6 比江島慎(SG/宇都宮ブレックス)
#9 ベンドラメ礼生(PG/サンロッカーズ渋谷)
#10 竹内公輔 (PF/宇都宮ブレックス)
#13 安藤周人(SG/名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)
#14 金丸晃輔(SG/シーホース三河)
#15 竹内譲次(PF/アルバルク東京)
#24 田中大貴(SG/アルバルク東京)
#32 シェーファー・アヴィ幸樹(C/滋賀レイクスターズ)
#88 張本天傑(SF/名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)