2020年のバスケ日本代表が始動、復活を遂げた辻直人「誰かに任せるんじゃなく自分がやる」

2020年のバスケ日本代表が始動、復活を遂げた辻直人「誰かに任せるんじゃなく自分がやる」

2020/02/23

辻直人

オリンピックイヤーの2020年、バスケットボール男子日本代表が始動した。今年最初の国際大会は2021年のアジアカップに向けた予選。代表合宿には川崎ブレイブサンダースの辻直人の姿もあった。昨年のワールドカップには故障で参加できず。川崎でも昨年を通じてケガが重なり本来のプレーを見せられなかったが、今年は1月の天皇杯から得点にアシストにと辻らしいプレーが復活して、日本代表にも戻って来た。ワールドカップの分までと意気込む辻に、2020年の意気込みを聞いた。

ワールドカップは「そこにいたかったな」

──味の素ナショナルトレーニングセンターで辻選手に会うのは久しぶりですね。

本当に久々で、約1年ぶりですか。ワールドカップ予選の最後以来ですからね。

──出場権を勝ち取りながら参加できなかったワールドカップの間、日本代表への思いはどんなものでしたか?

やっぱり手術とかになると一線を引くというか、ちょっと遠い存在というか、そう思ってしまうこともありました。だから今回は本当にゼロ、いやマイナスからのスタートになるので、こうやって代表候補に呼ばれること自体が光栄ですね。それだけで満足しちゃいけないんですけど、10カ月ぐらい前のことを思い出すと、よくここまで来れたなと。

──ワールドカップを見る思いは複雑だったと思います。チームとしては3ポイントシュートでの得点が欲しい、でも決まらない。決まらないから打てないという悪循環に陥っていました。どんな気持ちで見ていましたか?

打てるところは多分もうちょっとあったと思います。シュートの入る入らないはその日の調子によって変わってきますが、日本と比べれば世界のベースは高かったですね。世界の選手はシュートタッチが良くない中でも要所では決めてきたと思いますし、そういったところでは自分だったら打ってたかなとか、自分が決めたかったという思いはありました。

でも、打ちたいとか決めたいよりも、「そこにいたかったな」という思いが一番でした。日本代表に対して何でもいいから力になりたいという思いでした。世界のレベルの高さというのは数年前に僕も感じているので、自分が100%通用するとかは思ってないですけど、やっぱりその経験でチームの力になれたことはあったんじゃないかと思います。

辻直人

「個の力で厳しければチームワークで」

──そもそも、1勝もできずに大会を終えるということは想定できていましたか?

そうですね、普通にやれば相手の力が上なのは分かり切ったことなので。自分たちの100%か、もしくはそれ以上を出さないと簡単には勝てないとは思っていました。

──オリンピックになれば出場できるのは12カ国だけで、競争はワールドカップよりも厳しくなります。日本代表として足りない部分を全部埋めるのは難しいとしても、どんな部分を押し出して戦っていくべきだと思いますか?

簡単に言えばチームワークですね。やっぱり個の力で戦うのは厳しいです。その中でもチームワークを大事にして、出ている5人で戦って、そこで生まれたシュートを決めれば日本らしさが出せるはずだし、それを続けていれば絶対に流れが来ると思います。予選でオーストラリアに勝てたのも、結局はそういうところでした。オリンピックは間違いなくワールドカップより厳しいし、1勝もできない可能性というのはさらに大きくなります。そんな大会で可能性を見いだすにはチームワークだったりコミュニケーションだと思います。そこはそれぞれの意識次第で、ワールドカップからすぐ改善できます。

──オーストラリアに勝った試合では日本の良さを100%発揮することができました。しかし日本代表に限らず、自分たちの持ち味をすべての試合で出せるものではないですよね。スタンダードを上げるには具体的に何が必要でしょうか。

やっぱりコミュニケーションができるかどうかだと思います。ワールドカップでの難しさは、日本代表がずっとBリーグでやっているようなチーム編成ではなく、アメリカでプレーしている選手が帰って来てチームが編成されるので、プレースタイルも大きく変わります。そこでコミュニケーションをいかに取るかが大事で、それがチームワークに繋がって日本らしいバスケットになると思うので。

僕たちは海外組のようなプレーがすぐにできるわけじゃないし、それでも上手く噛み合えばオーストラリアに勝った試合のような戦いができると思います。コミュニケーションを取って、チームとして結束すること。オリンピックで日本が勝つにはああいうゲームをやるしかない。そういうチームをいかに作れるかだと思います。

辻直人

「意識さえ変えればアジアで負けないチームに」

──バスケの日本代表も、サッカーのように『国内組だけの日本代表』と『海外組がいる日本代表』の2本立てで戦っていかなければいけない状況です。今回のアジアカップ予選は国内組となりますが、何が大事になるでしょうか?

Bリーグでやっている選手だけで編成されたチームのほうが、出来上がるのは早いと思います。それぞれの特徴は分かっているし、コミュニケーションも取りやすくて、そういったところは心配はありません。それでも海外組がいないので、それぞれが「自分がやらなきゃいけない」という気持ちをどれだけ持てるかが大事になります。今までは海外組にカバーしてもらっていた部分を、自分たちでやらなければいけない。そこで誰かに任せるんじゃなく自分がやる意識が大事ですね。

技術の部分は簡単には変えられないと思うのですが、意識は自分たち次第です。僕も含めて国内組の選手が意識さえ変えられれば、アジアではそう簡単に負けないチームになれると思います。力そのものが上がっているのは間違いないので。

──そんな日本代表に辻選手が戻って来ました。あらためて、代表では辻選手のどんな持ち味を出していきたいですか。

そこはもうシュートしかないです。あとはチームに勢いを与える言葉だったり行動、チームプレーの姿勢だと思います。

──日本代表での辻選手の復活を心待ちにしているファンの方々へのメッセージをお願いします。

国内組の代表になりますが、普段Bリーグで戦ってるメンバーとこうして集まって試合ができるのは日本代表だけです。日本代表の活動はワールドカップで負けて以来になりますが、今回のチャイニーズタイペイ戦はワールドカップの悔しさをぶつける試合になります。その思いはプレーの激しさという形で鮮明に出ると思うし、ワールドカップに出ることができなかった僕も同じ思いをぶつけるつもりです。そういう激しさや日本代表のプライドをコートで表現するつもりなので、是非とも僕たちの後押しをしてもらいたいです。ファンの皆さんにも一緒に戦ってもらいたいので、よろしくお願いします。

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