ドワイト・ハワード

不仲が噂されたコービーへ捧げるダンク

例年以上の盛り上がりを見せたNBAスラムダンクコンテスト。惜しくもファイナル進出を逃したものの、レイカーズのドワイト・ハワードは衰えを感じさせないパフォーマンスでファンを大いに楽しませ、自らも大会を楽しんだ。

ハワードは2008年に『スーパーマン』の衣装で豪快なダンクを決めて優勝している。最初からレイカーズのユニフォームの下に青いシャツが見えていたのはご愛敬。予選1本目に回転を加えてのダンクを決めると、2本目には12年前と同様に『スーパーマン』に変身した。こちらも12年前と同様、マジック時代のチームメート、ジャミア・ネルソンを登場させ、赤いマントを着用。着ていたレイカーズのジャージーの下には、もちろん青いスーパーマンスーツを仕込んでいた。

ただ、そこからは2020年仕様で、カメラに向かったハワードが胸の『S』マークを剥がすと、そこには『24』の文字が。もちろん、先月末のヘリコプター墜落事故で亡くなったコービー・ブライアントへのリスペクトを示すものだ。用意していた金色の特注ボールを使い、ネルソンのロブをつかんでワンハンドダンクを決めたハワードを大歓声が包んだ。

かつてハワードとコービーは不仲が噂された。かつてレイカーズに在籍した2012-13シーズンは結果を出せず、勝利に強くこだわるコービーとの関係が良好なものでなかったことはハワード自身が認めている。だが、2人は後に和解。ハワードが今回のダンクコンテスト出場を決めた際、彼にスーパーマンのマントを渡すのはコービーと決まっていたという。だが、ヘリコプター事故によりダンクコンテストでの2人の共演は実現せず、ハワードはダンクをコービーに捧げることになった。

ダンクコンテストを終えたハワードは「素晴らしい雰囲気だったし、楽しかったよ」とご機嫌だった。

コービーについて「彼と一緒にこの舞台に立てなかったのは残念だけど、見ていてくれたんじゃないかな」と語る。「今シーズン後半戦、そして僕の残るキャリアにおいて、パープル&ゴールドの価値を示していきたい。コービーは僕らを見守っている。彼と一緒の時間を過ごせたことを、とても感謝しているんだ」

残念ながらファイナル進出は果たせなかったが、アーロン・ゴードンとデリック・ジョーンズJr.のレベルの高いダンクの応酬にはハワードも感銘を受けた。「ファイナルに進んだら『肘入れダンク』をやるつもりだったんだけど、まあいいさ。ファイナルに進んだ2人にとっては最高のダンクコンテストになった。彼らのショーは素晴らしかったからね」

メディア対応の最後に、彼はチャーミングな笑顔とともにこう言い残した。「来年もチャンスがあれば出るよ!」