レジナルド・ベクトン

絶好調のレジナルド・ベクトンを軸に痛快な逆転勝利

2月15日、横浜ビー・コルセアーズがホームでサンロッカーズ渋谷と対戦。第3クォーター終盤に16点のビハインドを背負う劣勢から第4クォーターに盛り返し、101-90で逆転勝利をおさめた。

第1クォーター、横浜は3ポイントシュート連続成功による8-0のランで先行。しかし、すぐにSR渋谷も持ち前の激しい守備からの攻守の素早い切り替えと、得意の展開で逆襲。セバスチャン・サイズのゴール下を主体とした連続9得点で23-17と逆転。このまま前半はSR渋谷の5点リードとなった。

後半も、SR渋谷が主導権を握る時間が続く。関野剛平、ベンドラメ礼生の連続3ポイントシュート成功で流れに乗り、第3クォーター早々に横浜のレジナルド・ベクトンが4つ目のファウルでベンチに下がったことで生まれたゴール下の優位も生かし、ペイントアタックやオフェンスリバウンド奪取からのセカンドチャンスで加点。残り3分19秒には、石井講祐の3ポイントシュートで68-52と突き放す。

しかし、横浜は直後にコートへと戻ったベクトンが、5ファウルでの退場を恐れないインサイドでの力強いプレーでここから6連続得点。これで8点差にまで縮めてこのクォーターを終える。

第4クォーターに入っても横浜の勢いは続く。一方、SR渋谷は伊佐勉ヘッドコーチが「オフェンスの終わり方が悪く、それを引きずってディフェンスに入ってしまった。それで約束事がほぼできていない状況になってしまいました」と試合後に振り返ったように、拙攻によって集中力が乱れ、チームの根幹である守備が崩れた。

横浜はこの隙を逃さなかった。この試合、フィールドゴール11本中11本成功の26得点と大活躍のベクトンを軸に最後までゴール下への強気の攻めを続ける。その結果、88-88の同点で迎えた残り2分から怒涛の11連続得点で抜け出し、今シーズン初の100点ゲームで激闘を制した。

田渡凌

チームを勝利に導いた田渡凌「常にアグレッシブに」

横浜の福田将吾ヘッドコーチは、堅守を誇るSR渋谷相手に100点オーバーとなったオフェンス好調の理由をこう語る。

「ポイントガードの生原(秀将)、田渡(凌) の活躍が大きいです。ゲームを組み立てて、慌てずにボールをプッシュして速い展開に持ち込んでくれました。彼らの成長なくしてこの結果はなかったです。そしてペイントへのアタックができたこと。渋谷さんはプレッシャーをかけてくるので、それで引いてしまうと攻撃が重たくなります。一人ひとりがアタックするメンタリティを持って攻めました。その結果、相手を収縮させて3ポイントシュートも良い形で打てた。オフェンスは理想的でした」

指揮官が称えた司令塔コンビの一人、田渡はゴール下への強気なドライブにより第4クォーターに10得点を挙げ、さらに6アシスト2スティールと奮闘。「ここ1カ月ほど調子が良くなくて、自分の中で見失っていた部分はありました」と語る彼は、2020年に入って初の2桁得点の要因を「福田さんからアタックしてくれ、それをやれるのが僕の強みと言われました。おかげで忘れかけていたものを思い出せました」と原点回帰にあったと続ける。

この言葉通り、本日の田渡はゴール下への強気なドライブを継続し、SR渋谷の守備を切り崩した。「渋谷さんはプレッシャーも激しくかけてくるので、その分、アタックすればチャンスが生まれやすいのは分かっていました。とにかく常にアグレッシブに行くことを意識していて、それがいい方向に行ったと思います」

横浜ビー・コルセアーズ

福田ヘッドコーチ「強みを出して勝てた」

振り返れば横浜は、今年最初の週末にSR渋谷と対戦。その時は2試合ともに20点差以上をつけられる大敗が続いた。そこからのリベンジに福田ヘッドコーチは「ウチの強みを出して勝てたのは自信に繋がります」と手応えを語る。

また今日の勝利は、この自分たちの強みとは何なのか、それをチームで再認識して臨めたことが大きい。「前節の秋田戦、第4クォーターの残り8分、3点勝っていたのに17-0のランをされて、単純に気持ちが切れてしまった。自分たちが何をすべきかを見失って負けました。それで昨日、1時間くらいのミーティングで自分たちの強み、弱みをそれぞれ考えてもらい。選手、コーチでそれを共有しました」

指揮官はこう続ける。「走って速い展開に持ち込み、そこから相手の守備がセットアップする前に攻め切る。3ポイントシュートは良い形になったらもっと自信を持って打つ。ロングツーは打たない。全員バスケット、強度の高いディフェンスから走る。それが横浜のバスケットボールだと思います」

この強みをしっかりと出せれば、リーグ上位の難敵相手にも対抗できることを横浜は証明した。そして、これを継続することができれば勝ち星を増やしていける。明日の試合、連敗を避けようとより高いエナジーを出してくるSR渋谷相手に、今日のパフォーマンスを継続できれば、一つ大きな壁を越えることになる。

2月15日のB1 8試合の結果

北海道76-77滋賀
千葉86-73大阪
横浜101-90SR渋谷
三遠64-79名古屋D
秋田76-80琉球
新潟41-69A東京
富山75-73京都
川崎85-76島根