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クロフォードはボールを評価「常にチームを考える」

レイカーズの『ゴールデンルーキー』ことロンゾ・ボールは、その出で立ち、プレースタイルからもスター性が感じられる稀有な存在だ。

現在、NBAレベルの壁を克服しようと努力を続けているが、デビュー前も現在も事あるごとに話題となるのは、彼の変則的なシュートフォームについて。手首をこねるようなシュートフォームについて「変更すべき」という声が絶えないのだ。しかし、NBA17年のキャリアを持つベテランのジャマール・クロフォードはその意見を一蹴する。

『CBS Sports』のポッドキャスト番組に出演したクロフォードは「彼のフォームを矯正しようなんて、僕なら思わない」と断言する。「これまでずっと今のフォームでやってきたんだ。今は苦しい時期かもしれないが、もし10本連続してシュートを決めていたら、誰も変えろとは言わないはずだ。だから、自分ならそのままやらせる」

ロンゾは、直近3試合でフィールドゴール26本中7本成功(成功率27%)と低調。特に3ポイントシュートは11本中1本と決まっていない。以前から変則的なシュートフォームへの批判はあったが、ここに来て議論に火が付いた格好だ。たった3試合の低調で話題にされるのは、注目度の高さを表してもいる。

クロフォードは、ロンゾのプレースタイルを高く評価している。「彼は間違いなくスター選手だ。正しい形でプレーしているし、個人のスタッツを気にしていない。味方が良い位置にいれば迷わずパスを優先する。それだけ球離れが良い選手なんだ。どのインタビューを聞いたって、彼は常にチームのことを考えている」

球団社長のマジック・ジョンソンは、今シーズン中にボールのシュートフォームを変更する考えはないと明言している。『自己流』でも結果がついてくれば誰も何も言わない。かつてバックスのエースとして活躍したマイケル・レッドも変則フォームの持ち主だったが、リリースが非常に速く、決まり出したら止まらない凄腕シューターとして知られた。

クリッパーズとの開幕戦でパトリック・ベバリーから『プロの洗礼』を浴びせられたロンゾだが、続く2試合目にトリプル・ダブル級の大活躍を見せた。そして、11月11日のバックス戦ではプロ初となるトリプル・ダブルをNBA史上最年少記録となる20歳と15日で達成している。まだ安定感はないが、才能の片鱗は十分に見せている。

ここでフォーム改造に着手すれば、さらに好不調の波が大きくなるリスクが伴う。弟リアンジェロの中国での万引き事件はようやく終息。ロンゾはフォームこそ変えていないが、カーリーヘアをばっさり短くした。変更するのは髪型だけでいい。彼に必要なのは、雑音をシャットアウトしてバスケットボールだけに集中することだ。