ロバート・コビントン

新戦術スモールボールで鮮やかに勝利

西カンファレンスの上位対決となった2月6日のロケッツvsレイカーズは、トレードでロケッツに移籍したばかりのロバート・コビントンの活躍によりロケッツが終盤でレイカーズを突き放し、121-111で勝利した。ロケッツはラッセル・ウェストブルックが41得点を記録した。

コビントンは4チームがかかわる大型トレードでティンバーウルブズからロケッツに移籍して来たばかり。ベンチスタートながら29分間プレーし、14得点8リバウンドを記録、3ポイントシュートを7本中4本成功させた。そのうちの2本は試合残り3分を切ってからのクラッチスリーだ。

第4クォーター残り3分、ロケッツはレブロン・ジェームズのドライブをファウル覚悟で止めに行くもバスケット・カウントを献上して1点差に詰め寄られた。勝負どころでレブロンがスーパープレーを見せ、レイカーズに傾きかけた流れを引き戻したのがコビントンだ。直後のポゼッション、ハーデンからのパスを受けると左コーナーから3ポイントシュートを決めて4点差に突き放す。コビントンは残り1分半にも再び3ポイントシュートを沈め、レイカーズを一気に突き放した。

試合後のインタビューでコビントンは「試合に出てインパクトを残せたことは大きな意味がある。コーチやチームメートが信頼してくれている証拠だからね」とコメントした。

この日のロケッツのスターターにはセンターはいなかった。センターのクリント・カペラを放出し、ヘッドコーチのマイク・ダントーニは本格的にスモールボール戦術へと舵を切った。スモールボールを採用し始めてから4試合で4連勝を挙げ、この4試合でチームは対戦相手より平均10点以上を奪っている。このシステムになって劇的に活躍するようになったのがウェストブルックで、フィールドゴール成功率が10ポイント以上高くなった。

ダントーニは新戦術でレイカーズに勝利したことについて、「とても大きい勝利だ。負けていたら疑念が生まれただろう。だからやり続けなければならない。ただの1試合にすぎないが、自信を得られたことは良かった」と話した。

ロケッツはペイント内の得点では40-62とレイカーズに圧倒されたが、3ポイントシュートによる得点は30点以上多かった。アンソニー・デイビスを擁するレイカーズと渡り合ってもリバウンド数はほぼ同じで、スモールボールを採用するデメリットは感じられなかった。『3&D』のコビントンも新戦術にフィットするだろう。新システムが成功かどうかを判断するにはまだ早すぎるが、ロケッツの新たな試みはとても興味深い。