コービー・ブライアント

「この気持ちがおさまるには時間がかかる」

スパーズのヘッドコーチ、グレッグ・ポポビッチは、コービー・ブライアントの事故死直後、遺族に向けて手短なコメントを残しただけだった。

そして2月4日、スパーズが事故後はじめてステイプルズ・センターでレイカーズと対戦する前、ポポビッチはコービーへの思いを言葉にした。

「我々は何年もの間、コービーのプレー、そして彼の競争心を見てきた。彼と対戦し、オールスターゲームでともに戦ったこともあった。彼のことをよく知らない人でも、以前から知っていたような気持ちになっていると思う。特にロサンゼルスの人たちはね」

「誰かが亡くなれば、同じように考えてしまう。この気持ちがおさまるには時間がかかる。彼との距離が近かった人ほど、より彼について思いを馳せるだろう。彼は、あらゆる意味で特別な存在だった。ブライアント家に起こった悲劇から、我々も学ぶべきものがある。誰でも、どこかの段階で誰かを失う。それを乗り越えるために、誰もがベストを尽くすんだ。それでも、これは本当に辛い出来事で、私はご遺族がこのプロセスをできるだけ穏やかに過ごせればと願っている」

「彼は人間だが、スーパーヒーローのような存在だった。人類にスーパーヒーローなんて存在しないけど、彼を見ていると、スーパーヒーローのように思えた。だからこそ、あまりにも辛いよ。長い間病気の人がいたら、心の準備もできるし対応もできる。しかし彼と彼の娘さん、そして他の同乗者の方が亡くなったこの事故は悲劇だ。より痛みが生じてしまう」

コービーのレイカーズと何年にも渡るバトルを繰り広げてきたポポビッチの心にも、簡単には埋まらない大きな空白が生まれてしまった。どれだけ辛くても、生きている以上は前に進まなければならない。ポポビッチは今回の事故で亡くなった故人を悼みながら、やるべき仕事をこなしている。