ギャビン・エドワーズ

サイズとクイックネスを生かしたランニングプレーが魅力

千葉ジェッツは昨日、富樫勇樹とギャビン・エドワーズが日本代表候補に選出されたことを発表した。

富樫は国内トップクラスのスピードと得点力を持つポイントガードだが、昨年9月のワールドカップを欠場。7月に大会に向けた合宿がスタートしたタイミングで右手の指を骨折し、指揮官フリオ・ラマスを「彼は替えの効かない存在」と嘆かせた。それでも今シーズンはアーリーカップから実戦復帰しており、Bリーグではここまで35試合すべてに出場、平均14.1得点と『点の取れるポイントガード』ぶりを発揮しており、順当な代表復帰となった。

ギャビン・エドワーズは1月に日本国籍を取得。今回、宇都宮ブレックスのライアン・ロシターとともに初めて日本代表の合宿に招集された。ギャビンの持ち味は本人曰く「サイズとクイックネスを生かしたエナジー溢れるプレー。ディフェンスでもオフェンスでも状況に応じてチームに欠けている部分を埋められる」ことだ。

ディフェンスでは206cmの長身、さらに長い腕を使ってゴール下を守り、クイックネスを生かしたブロックショットも大きな武器。攻めに転じれば千葉のトランジションバスケットに見事に合わせ、ランニングプレーから一気にフィニッシュに持ち込む。被ファウル数はBリーグでジュリアン・マブンガ(京都)、ダバンテ・ガードナー(三河)に続く3番目の1試合平均5.9。マブンガとガードナーが長くボールを保持するプレーヤーなのに対し、ギャビンは『使われるタイプ』であることを考えれば驚異的な数字だ。

ギャビンはクラブを通じて次のコメントを発表している。「国を代表して戦うことは全てのアスリートにとっての夢ですが、まずは候補に選ばれることで、夢に1歩近づくことができました。引き続き、皆さんに誇りに感じて頂けるようベストを尽くして頑張ります」

しかしギャビンは前節の島根スサノオマジックとの第1戦、ロバート・カーターのアタックを止めに行ったディフェンスの場面で足首を捻挫。すぐに自ら交代を要求して下がり、第2戦にも出場しなかった。検査の結果は全治1カ月のケガで、代表合宿に参加するかどうかはコンディションを見て判断するとのこと。合宿に行ったとしてもプレーはできず、練習見学とチームミーティングへの参加といった、限られた形の参加となりそうだ。

フリオ・ラマスヘッドコーチの下で日本代表に招集された帰化選手は、アイラ・ブラウン、ニック・ファジーカス、ライアン・ロシター、そしてギャビンで4人となった。彼らを競わせつつ、チームバスケットへのフィット度合いとコンディションを考慮しながら起用していくことになりそうだ。日本国籍を取得した彼らは激しい競争を強いられるが、そのチーム内競争が日本代表を強くしていく。