盛實海翔

「苦しい中でもしっかりと自分のシュートを決めきるように」

2月1日、サンロッカーズ渋谷はホームに琉球ゴールデンキングスを迎え、延長の末に75-73で勝利した。

この試合で盛實海翔は26分間の出場で、8得点4リバウンド3スティールを記録して勝利に貢献した。12月中旬にチームに加入し、これまで11試合に出場しているが、26分のプレータイムは今シーズン最長となった。

盛實は「ケガ人がいる状態で、今朝の練習の時にムーさん(伊佐勉ヘッドコーチ)から『今日はプレータイムが長くなるかもしれないから準備しておけ』と言われていたので、気持ちも身体の部分でも準備をして試合に挑みました」と言う。

この試合では後半でSR渋谷が琉球を追いかける展開も続いたが、盛實は積極的なプレーでチームに勢いを与えた。本人も「リングに向かってアグレッシブに行くことは意識していた」と言うが、それよりも「今日は3ポイントシュートが入らなかったのでそこが課題です」と振り返った。

盛實が言うように、この試合で6本の3ポイントシュート放つもすべてリングに嫌われた。相手のマークが厳ししく、タフショットを強いられる場面も多々あったのだが、それでも「苦しい中でもしっかりと自分のシュートを決めきるように、ドライブもアウトサイドもバランス良くやっていきたいです。今日は3ポイントが入らなかったので、点数にすると65点ぐらいです。明日はもちろん100点を目指します」と、新人であっても責任感を持ってプレーをしている。

盛實海翔

「自分のやるべきことを頑張るだけ」

チームに加入したばかりの頃は、「もっとディフェンスを頑張らないといけない」と言っていたが、この試合ではディフェンスでも前線から積極的に当たり琉球のオフェンスのリズムを崩していった。

試合数もこなし、他の選手と遜色なくローテーションに入ってプレータイムを伸ばしているが「ディフェンスの部分では、まだ慣れた感じはなくてやっぱりキツい」と盛實は言う。

「ディフェンスを必死にやらないと試合に出られないですし、サンロッカーズ渋谷はそういうチームです。なので出ている時間は思いっきりアグレッシブにディフェンスを頑張るという感じでやっています」

本人はまだ慣れていないと言うが、加入して間もない選手が平均17.2分ものプレータイムを与えられ、ローテーションにも組み込まれているのは指揮官から信頼されているからこそ。

「ベンチに入っているメンバーをどんどん入れ替えて使っていくのがムーさんのやり方で、そういう部分でこうやって長い時間出させてもらえているのは、多少はムーさんも信頼してくれているのかなと思います。試合に出れることはやっぱりうれしいですし、そのためにも自分のやるべきことを頑張るだけです」と盛實は語る。

盛實海翔

「同年代の選手が頑張って活躍していると自分も頑張ろうとなる」

盛實は12月の中旬にインカレで準優勝をし、その後に特別指定選手としてSR渋谷に2度目の合流を果たした。そして年明けには天皇杯で優勝と、目まぐるしい1カ月を送っていた。

「インカレで負けてBリーグの世界に入ってきて、すぐに天皇杯の決勝の舞台に立つことができました。もちろん周りの先輩たちのおかげですが、天皇杯での優勝は学生の頃の無念というか悔しかった思いを次のステップで晴らせてすごくうれしかったです」

というのも盛實は大学4年間で優勝経験がなく、「準優勝で終わって悔しい思いがいっぱいありました。自分は加入して間もなかったですけど、チームの一員として天皇杯で優勝できて本当に良かったです」と、新たなステージで良いスタートを切れた喜びを語った。

そしてこの試合ではインカレの決勝で戦った牧隼利も試合に出場していて「いろんなチームで同年代の選手が頑張って活躍しているのを聞くと、自分も頑張ろうとなるし、すごく刺激になります」と語る。

レギュラーシーズンも後半戦になり、強豪が集う東地区ではこれまで以上に上位争いが熾烈な戦いとなっている。SR渋谷がさらに勝ち星を増やしていくためには、若き盛實の成長が鍵となるに違いない。