トーマス・ウィスマン

Bリーグ初代の優勝ヘッドコーチ、無念の解任

横浜ビー・コルセアーズは今日、トーマス・ウィスマンの解任と、アシスタントコーチだった福田将吾を後任のヘッドコーチに昇格させることを発表した。

ウィスマンは日本での指導者経験が長く、Bリーグ初年度の2016-17シーズンには宇都宮(当時は栃木ブレックス)を率いてリーグ初のタイトルを獲得。その後は横浜に移って、2017-18シーズンにはクラブのアドバイザーを務め、昨シーズンからヘッドコーチとしてチームを率いていた。しかし、昨シーズンは14勝46敗で残留プレーオフに回り、選手を大幅に入れ替えて臨んだ今シーズンも8勝24敗でB1の全18チーム中で17位と低迷を抜け出せず、今回の決定へと至った。

栃木で優勝をつかんだ時のように、ディフェンスとリバウンドでタフに戦うバスケットを目指したウィスマンだが、なかなかチームにその文化は根付かず、試合後の会見でチームへの不満を漏らすシーンがしばしば見られた。そしてこの数試合、ウィスマンはチームに帯同しておらず指揮を執っていなかった。

横浜の植田哲也代表は次のようなコメントを発表している。「残念ながら、チームの成長と結果が結びつかないことから今回契約を解除することになりましたが、 本件に対して、私をはじめ選手、チームスタッフそれぞれが自分にフォーカスし、反省することが、 次のステップに進む唯一の道であると信じております」

また内部昇格で新たに指揮を執る福田ヘッドコーチは、「激しいディフェンスから走るバスケットという理念を引き継ぎ、選手達と共に、その精度を上げていきたい」と、ウィスマンのバスケットを継承する意向とともに、抱負をこう語る。

「非常に苦しい状況であるからこそ、私はヘッドコーチとして選手・スタッフ・フロントオフィス・ファン・ブースター、そして横浜ビー・コルセアーズを支えてくださっている全ての皆さんと共に『ONE TEAM』を作り上げ、ここから1つでも多くの勝利を勝ち取れるよう、断固たる決意を持って頑張ってまいる所存です」

また山田謙治アシスタントコーチが、アシスタントGM兼アシスタントコーチになることも発表されている。

横浜にとっては、Bリーグになってからの4シーズンで、ヘッドコーチの途中交代があるのはこれで3シーズン目。この悪い連鎖を今シーズンは断ち切ることができるのか。今日と明日はホームで大阪エヴェッサとの対戦。まずはここでチームのパフォーマンスに何らかのポジティブな変化が出ることを期待したい。