合田怜が終盤に殊勲の働き
1月29日、同率で並んでいた大阪エヴェッサと琉球ゴールデンキングスによる西地区首位対決が行われ、合田怜の3ポイントシュートが決め手となり大阪が72-66と激闘を制した。
試合は序盤から両チームともに身体を張ったタフなディフェンスを見せ、前半は琉球の28-27とロースコアの展開で終わる。しかし、第3クォーターに入ると、大阪は天日謙作ヘッドコーチが「前半はボールを動かすことができなかったです。僕の責任ですけど、プレーコールも偏ってしまっていました。そこを改善しようと取り組んだ成果が出ました」と振り返るように、前半とは違ってパスがよく回り、コートを広く使ったオフェンスを展開する。
その効果として、ジョシュ・ハレルソンが得意のアウトサイドシュートを次々と沈め、このクォーターだけで12得点をマーク。また、チーム全体でも3ポイントシュート3本中3本成功の、フィールドゴール13本中9本成功と高確率で決まった。しかし、天日コーチが「クーリー選手のオフェンスリバウンドを抑えるのは非常に難しい」と語ったように、琉球もジャック・クーリーを軸にゴール下でしぶとく得点を重ねて応戦した。
両チームとも守備の集中力を切らせなかったことで第4クォーターに入っても接戦は続く。しかし、大阪は同点で迎えた残り41秒、合田が並里成との1対1から値千金の3ポイントシュートを沈めて勝ち越す。さらに大阪は次のポゼッションで、琉球のデモン・ブルックスの放った3ポイントシュートをリチャード・ヘンドリックスがブロック。そして残り13秒、ファウルゲームでフリースローを得た合田が2本しっかり決めたことで勝負アリりとなった。
藤田コーチ「内容的に負けたとは思っていない」
大阪に勝利をもたらしたビッグショットについて合田はこう振り返る。「自分のシュートで試合を決められるのは選手として理想です。そのチャンスが自分に回ってきて、打ちに行けたのは成長した部分ですし、気持ち良かったです」
この試合、大阪はハレルソンが30得点を挙げ、特に後半はシュートタッチも良かった。それだけに、あの場面ではハレルソンにボールを預けるかと思われた。それでも「常に自分が決めてやると思っています」という合田の強気な姿勢が勝敗を分ける鍵となった。
また、第4クォーター序盤、大阪は先発ポイントガードの伊藤達哉が負傷退場のアクシデントに見舞われている。ここで代役を見事に務めたのが「第4クォーター、久しぶりのポイントガードでしたけど、自分の強みであるピック&ロールで崩せたのは収穫でした」と語る合田であり、この大一番で文句なしのヒーローと言える活躍だった。
一方、琉球の藤田弘輝ヘッドコーチは、「ディフェンスを40分間頑張れたので、そこはプライドを持って次のゲームも今日みたいなインテンシティでやっていきたい。オフェンスもオープンシュートは作れていたので、今のスタイルを保ちつつ、全員でボールを動かしていきたい」と、敗れたとはいえ内容には手応えを得ていた。
ただ、その中でも「3ポイントシュートのところで緩みが出てしまいました」と反省点を挙げる。実際、大阪は3ポイントシュートが17本中7本成功(成功率41.2%)と高確率だったのに対し、琉球は20本中4本成功(成功率20%)のみと大きな違いとなった。
これで両チームの対戦成績は大阪の2勝となった。しかし、最初の試合はオーバータイムにもつれており、2試合続けて激闘となっている。次戦は早くも2月12日、再び大阪のホームで行われるが、藤田コーチはリベンジへの強い思いを語る。
「この負けは本当に悔しい。バスケットの内容的に負けたとは思っていないです。あとは僕が成長するのと、次の試合は同じようにいかないよと強い気持ちを持ってプレーしたい」
まだ、両チームの対戦は4試合残っているが、それがより楽しみとなる今回の好ゲームだった。
1月29日のB1 9試合の結果
秋田76-64北海道
千葉91-83SR渋谷
新潟89-80三遠
富山77-72横浜
三河89-85川崎
京都95-88島根
大阪72-66琉球
滋賀76-61名古屋D
宇都宮74-64A東京