SR渋谷のプレッシャーをかいくぐった突破力
千葉ジェッツがサンロッカーズ渋谷をホームに迎えた水曜ナイトゲーム。
SR渋谷の激しいプレッシャーディフェンスを突破し、最後まで試合のテンポを落とさずハイスコアリングゲームに持ち込んだ千葉が91-83で勝利し、連勝を8に伸ばした。
序盤は拮抗した展開が続くも、3ポイントシュートの成功率で上回った千葉が徐々に主導権を握っていった。第1クォーターでは6選手が得点するバランスの良さを見せ、第2クォーターにはインサイドを制圧したジョシュ・ダンカンが13得点を挙げる活躍を見せた。
チャールズ・ジャクソンに前半だけで6本のオフェンスリバウンドを奪われ13得点を許し、ターンオーバーから9失点した千葉だったが、ディフェンスは機能しイージーシュートを許さなかったことで40-35とリードして前半を終えた。
後半に入っても、千葉のペースで試合は進んでいく。ピック&ロールから次々とズレを作り、要所で3ポイントシュートも沈めた富樫勇樹は、第3クォーターだけで8得点5アシストと躍動。SR渋谷に高確率(8本中5本成功)で3ポイントシュートを決められたが、コー・フリッピンのドライブやアウトナンバーからの3ポイントシュートなど、トランジションが機能し、8-0のランも生まれた千葉がジワジワとリードを広げた。
11点をリードして迎えた最終クォーター。富樫を筆頭にフリッピンや藤永佳昭もSR渋谷の激しいプレッシャーを突破したことで、攻撃のテンポが落ちず千葉が主導権を握り続けた。さらにギャビン・エドワーズがペイント内で力を発揮し、外に開いたダンカンが3ポイントシュートを射抜くなど、内外バランス良く得点を重ねた。
そして残り2分13秒、フリッピンの速攻が決まり89-75。SR渋谷はライアン・ケリーを下げ、オン・ザ・コート0の布陣となったところで勝負アリとなった。
「ぶち破るような気持ちでプレーしなさい」を体現
勝利した千葉の大野篤史ヘッドコーチは「楽に勝てる試合はないと思っているので、勝てて本当に良かった。40分間、プレッシャーを嫌がらずに戦えたことが選手の成長だと思います」と、コメントした。
大野コーチが言うように、ガード陣がSR渋谷の強烈なプレッシャーに屈しなかったことが勝因となった。これはSR渋谷の伊佐勉ヘッドコーチも同じ見解を示している。
「千葉さんのテンポでオフェンスをさせてしまったことがまず一つ。富樫君とコー君のスピードが止まらなかった。藤永君の繋ぎが僕らには一番辛かった。良い仕事をされました」
SR渋谷はタイムシェアを徹底し、出場する選手が常にフルパワーでディフェンスすることで天皇杯を制した。それでも千葉は「逃げると余計にターンオーバーを増やしています。そこをぶち破るような気持ちでプレーしなさい」との大野コーチの言葉を体現したことで、流れを渡さずに押し切った。
また、「ターンオーバーをしなかったところと、セカンドチャンスを与えなかったところ。彼らの強みを消したこと」が勝因と言うように、千葉は後半のターンオーバーをわずか2に抑え、前半だけで8本許したオフェンスリバウンドも後半は2本しか許さなかった。
シーズン序盤は黒星が先行し、一時東地区最下位となるなど苦しんだが、千葉は連勝を8に伸ばし、東地区単独3位に浮上した。天皇杯を制して勢いに乗る、開幕戦で連敗したSR渋谷から挙げたこの勝利は千葉にとってターニングポイントとなる1勝となるかもしれない。
1月29日のB1 9試合の結果
秋田76-64北海道
千葉91-83SR渋谷
新潟89-80三遠
富山77-72横浜
三河89-85川崎
京都95-88島根
大阪72-66琉球
滋賀76-61名古屋D
宇都宮74-64A東京
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