フリオ・ラマス

「国際レベルのスポーツ界で生き残るには競争が必要」

バスケットボール男子日本代表が2020年のアジアカップ予選へ向けて始動する。この大会はアジアカップ本戦の出場権が懸かっているだけではなく、その先のワールドカップ2023の出場権にかかわる重要な大会であり、事実上2024年に開催されるパリでのオリンピックにも繋がる。

日本代表は2月21日に千葉ポートアリーナで中国と戦い、2月24日にはアウェーでチャイニーズタイペイと対戦する。その後は11月にアウェーでマレーシア、中国と対戦し、2021年2月にホームでチャイニーズ・タイペイ、マレーシアと対戦する。これに向けて日本代表は2月上旬から強化合宿を行い、20名を招集して2月中旬のWindow1に出場する12名を選考する予定。

今日、会見を開いたヘッドコーチのフリオ・ラマスは、「オリンピックへ向けてベストの準備をしていきたい。それでも今は目の前のアジアカップ予選に集中している」と語る。

昨夏のワールドカップは全敗に終わったが、「世界規模の大会とアジア規模の大会は別物。少ない期間の中で準備をして中国、チャイニーズ・タイペイとの試合でも良い結果を出したい」と言う。世界と戦うためには「今の一番の課題はディフェンスにある。そこを改善してチームとしても成長していたい」と目標を語った。

また、宇都宮ブレックスのライアン・ロシターや千葉ジェッツのギャビン・エドワーズなど、帰化選手が増えていることにも触れた。「帰化選手も含めチームにとってベストなメンバーを選ぶ。それでも帰化選手が増えていることは、代表にとってすごく良いことで、高いレベルの中で競争が行われることはチームに良い影響を与える。国際レベルのスポーツ界で生き残るには競争が必要で、この代表選考でもそれは同じこと」

そして世界と戦ったことで、あらためて「チームとして成長していくことが必要」と指揮官は言う。

「ワールドカップの出場権を獲得してFIBAランキングも上がり、ワールドカップに出場できたことは成長の証の一つ。それでも、他の出場国と比べて成長が足りなかった。今後も選手、スタッフ、私も含めて成長を止めてはいけない。それぞれが欲をもって、『成長したい』、『やりきりたい』という気持ちをもって、ワールドカップで確認した世界のレベルを目指して努力しなければいけない」

また昨年の経験も踏まえて、今年は国際親善試合を8から10試合は行っていきたいと明言した。

ワールドカップは痛恨の結果に終わったが、世界のレベルを知り、さらなる成長を誓った選手たちが、あの悔しさを今年に生かすことができるかが重要になる。どんな選手が選ばれ、どんなバスケットを見せるのかに注目したい。