合田怜

「終わってみたら勝ち越せたという感覚」

大阪エヴェッサは、1月25日、26日と敵地での宇都宮ブレックス戦を1勝1敗で終えた。初戦を72-69で競り勝ったが、2試合目は中心選手アイラ・ブラウンの急遽欠場と想定外の事態も響いて73-85で敗れた。

これで大阪は12月中旬から約1カ月の間に宇都宮、アルバルク東京、千葉ジェッツ、サンロッカーズ渋谷の東地区4強と続けて対戦するタフなスケジュールを4勝4敗の五分で終えた。正確なアウトサイドシュートを武器にここまで1試合平均7.6得点を挙げている合田怜は、この結果を次のように見ている。

「終わってみたら勝ち越せたという感覚です。自分たちはチャレンジャーとして臨みましたけど、もったいないなという気持ちもあります」

4敗の内、2試合は1点差負けであり、合田の感想は妥当なものだ。そして、東地区の難敵と渡り合えたことで、自信をより深めている。「開幕前から不安はなくて、今シーズンはよい戦いができると思っていました。その中で、自分たちが上位にも通用する力を持っていると再確認できました」

合田怜

「自分をシューターとは思っていない」

右肩上がりのチームと歩調を合わせるように、今シーズンの合田も好調を維持している。途中、肩の負傷で約2カ月の離脱はあったが、1試合平均で3.6本の3ポイントシュートを打ちながら、ここまで47.1%と高い成功率をマーク。また、昨シーズンまでは主にポイントガードを担っていた彼は、状況に応じてボールハンドラーになり、司令塔の負担も軽減させるなどスタッツに出ない部分での貢献も光る。

ちなみに本人は際立つ3ポイントシュートの成功率についても、周りのおかげであると強調する。「めちゃくちゃシュートの調子がいいという感じはなく、チームに作ってもらったシュートをただ決めている感じです。成功率が高いのは、ノーマークのシュートを決めるだけの状況で打っているので当たり前です」

そして、自分の役割をこう語る。「ポイントガードの時もシュート力を武器にやっていましたが、まずプレーをクリエイトすることを求められていました。それは2番になっても特に変わっていないですし、これを発揮することでチームの力になれます。クリエイトするほうに自信があり、自分をシューターとは思っていないです」

合田怜

琉球戦は「因縁みたいなものがあって絶対に負けられない」

優勝候補相手にも互角の戦いを演じ、Bリーグ4年目で初のチャンピオンシップ進出へ向け、大阪は着実に前進している。ただ、合田は「地区優勝しか考えていないです」とワイルドカードでのポストシーズンは頭にない。

図らずも明日の対戦相手は西地区王者への最大のライバルとなる琉球ゴールデンキングスだ。琉球とはbjリーグ時代からライバル関係にある。また、大阪にとってはBリーグ初年度、レギュラーシーズン最終節の直接対決で1勝すればチャンピオンシップ出場だったのが、ここで痛恨の連敗を喫し、逆に琉球にチャンピオンシップ出場を許す苦い思い出がある。

この悔しさを経験している合田は、明日の試合も「特に意識するべきではないと思いつつも、確実に意識はしています。60分の1ではない。琉球とは因縁みたいなものがあって絶対に負けられない。今シーズンの対決では全部勝つつもりで臨みます」と対抗意識を燃やす。

東の難敵たちと五分に渡り合った大阪にとって、ここで同地区ライバルに勝つことができればさらなる自信を得て、チームを上昇気流に乗せることができる。合田が語る通り、水曜ゲームは『60分の1』ではない意味を持つはずだ。