第3クォーターで崩れ立て直すことができず敗戦
宇都宮ブレックスはホームの大阪エヴェッサ戦で69-72の逆転負けを喫した。
序盤は早いパス回しやピック&ロールからズレを作る宇都宮のペース。途中出場のテーブス海もショットクロックぎりぎりのところでドライブするなど連続得点を決める。前節で復帰した遠藤祐亮の3ポイントシュートも効果的に決まった。ディフェンスでも隙のないスイッチディフェンスで大阪には簡単に攻めさせず、宇都宮が40-32とリードして前半を折り返す。
しかし、後半になると流れが一変する。大阪のゾーンディフェンスに苦戦しインサイドでの得点が止まると、パスミスから大阪にイージーな得点を許し、立て直すきっかけを与えてしまった。
対して大阪は後半開始早々にローポストプレーからバスケット・カウントをもぎ取ったプレーからジョシュ・ハレルソンが爆発し、第3クォーターだけで17得点を挙げる。さらには伊藤達哉と橋本拓哉が速い展開に持ち込んで追い上げた。
最終クォーターに入ると宇都宮はオールコートディフェンスに行くが、大阪のガード陣に簡単にボールを運ばれてしまう。残り時間5分でアイラ・ブラウンにセカンドチャンスポイントを奪われ、65-66と逆転を許す。ハレルソンに対してダブルチームで守りに行くも、それでフリーになったカイル・バローンに得点を許すなど、守備のチグハグさが目立った。
試合終了間際に同点を狙って放った遠藤の3ポイントシュートがリングに嫌われ、試合終了となった。
「気持ちの面の切り替えが今のウチはできていない」
敗れた宇都宮の安齋竜三ヘッドコーチは「最初は良いディフェンスで入れたけど、途中からチームルールを守れなかったり、コミュニケーションミスから相手に得点を取られ始めて、オフェンスでも相手のゾーンに対応できませんでした」と試合を振り返った。
特に流れが大きく変わったのが第3クォーターだ。「前半ではスカウティングしていた部分で守れていない場面もあったけど、ハレルソン選手のところだけは守れていました。しかしウチのコミュニケーションミスから簡単に3ポイントシュートを打たせてしまい、勢いに乗せてしまった。第3クォーターの出だしでそこが崩れてしまい、そしたら外も中も止められない状況になってしまいました」
それでも宇都宮は、苦しい状況でもプレッシャーディフェンスから自分たちで立て直し、混戦に持ち込んで勝ち切る強みがあるはず。しかし、この試合では最後まで立て直すことができなかった。
「今日はコミュニケーションのズレから、かなりの確率でシュートを決められてしまいました。対して、ウチはゾーンディフェンスを攻めあぐねて、シュートも入らないという悪循環になって、気持ちの面やディフェンスのプレッシャーを忘れてしまいました。それが今日の敗因だと思います」
その忘れてしまった部分が最近の連敗にも繋がっていると、指揮官は言う。
「そういう状況でもディフェンスをもっとアグレッシブにやったりだとか、やられたから次はもっとコミュニケーションをしっかり取る、という切り替えが今のウチはできていません。その原因が今は分からなくて、僕に責任があります」
「今は逆転できるという気迫があまりない」
前節の秋田ノーザンハピネッツ戦で戦線復帰した遠藤は、この試合で久々の先発出場を果たし、25分の出場で11得点を記録した。それでも僅差での連敗が続く現状について、「今までは第4クォーターの残り5分とかで、負けていても絶対に逆転できるという自信があったけど、今はその気迫があまりないように感じました」と言う。
「SR渋谷戦も秋田戦も相手の方がやりたいディフェンスをして、アグレッシブにやっていました。今はやりたいことをやり合うのではなくて、それを受けてしまって相手に持って行かれることが多いです。今まではアグレッシブさや自分たちらしさを残り5分で出せていたチームだと思うけど、それが出せていないので負けが続いてしまっています」
それでも明日も試合を控えており「今は自分たちのバスケットができている時間と、そうでない時間にばらつきがあります。やるべきことを40分間やり続けることが今はないので、監督やチームメート、みんなを信じて40分間、宇都宮のバスケットを遂行したいです」と、意気込みを語った。
負けが続き苦しい状況ではあるが、遠藤の復帰や特別指定で加入したテーブスが流れを変えるなど、新たな強みも試合で発揮されている。明日の試合では、宇都宮らしいバスケットを40分間遂行する姿に期待したい。
1月25日のB1 9試合の結果
新潟60-63秋田
滋賀71-64島根
北海道76-82SR渋谷
宇都宮69-72大阪
A東京82-71富山
名古屋D93-98三河
川崎94-51京都
三遠56-75千葉
琉球-横浜