文=鈴木健一郎 写真=B.LEAGUE

「考えながら常にバスケットをするのを心掛けている」

レバンガ北海道はアウェーで琉球ゴールデンキングスと対戦。序盤こそ均衡したものの第2クォーターを21-3と驚異的なスコアで一気に主導権を握ると、第3クォーターと第4クォーターでも上回り77-51と完勝した。

47歳の『生きる伝説』折茂武彦はこの試合で通算1000本目の3ポイントシュート成功を達成。第4クォーター残り4分半、桜井良太がドライブからのキックアウトで折茂にボールを託す。第3クォーターに2本の3ポイントシュートを決めていた折茂への警戒は厳しく、25歳の須田侑太郎が鋭くチェックに行くも、折茂はそのプレッシャーに動じることなく自分のリズムでキャッチ&シュートを沈めた。これで70-46、勝利を決定づける貴重な一発だった。

最終スコア77-51で北海道の完勝。「始めからディフェンスで入れて自分たちのリズムでバスケができて、なおかつ勝利で1000本の3pが達成できたのは非常にうれしい」と折茂は語る。

「考えながら常にバスケットをするのを心掛けている。この年齢になるとフィジカル的に負けてしまうので、スクリーンの作り方、ギャップを作れるように工夫しながらノーマークになれるよう考えながらやっている」と、その衰えない得点能力の秘訣を語る。

実際、1000本目の3ポイントシュートにしても、大きく動きながらグレゴリー・ウィッティントンのスクリーンを使い、マーカ―の須田との間にズレを作り、なおもステップバックで3ポイントエリアへと逃げる。追おうとする須田の真横を通ってダニエル・ミラーがゴール下にダイブ。これに気を取られて折茂へのチェックが遅れた。

「第3クォーターを終わって残り1本だというのは分かっていました。ただ、9000得点の時と同様、自分にとっては通過点にしか過ぎず、1000本決めるまでに、それ以上のシュートを打ってきたわけで、そのシュートは自分だけでは打つことはできず、これまでのコーチやチームメート、関わるすべての方に感謝したいと思います」と折茂は言う。

「今後も1本でも多く決めてチームの勝利に貢献できるように、頑張っていきたいと思います」

『レジェンド』の記録更新はまだまだ続きそうだ。