オールスターの中でも垣間見えた本気のバトル
1月18日、Bリーグオールスターゲーム2020in北海道が北海きたえーるで開催された。
先制点を決めたのは今シーズン限りで現役を退く折茂武彦だった。折茂は味方のスクリーンを巧みに使い、富樫勇樹のフェイスガードをかいくぐると、ワンドリブルからジャンプシュートを成功させ笑顔を見せた。
その後、高さで上回るB.BLACKはライアン・ロシターを中心に得点を重ね、開始3分で2桁のリードを奪った。
だが、B.WHITEは富樫、金丸晃輔、ダバンテ・ガードナーの連続3ポイントシュートで反撃し、張本天傑のダンクで逆転した。
その後も点の取り合いが続き、前半を終えて69-63とオールスターらしいハイスコアリングゲームとなったが、ところどころで本気のディフェンスが披露された場面もあった。
第2クォーター序盤、シェーファー・アヴィ幸樹のポストプレーに対し、ブロックショットを試みた比江島慎がこの試合最初のファウルをコールされ、苦笑いを浮かべた。
また、昨シーズンまで横浜ビー・コルセアーズのチームメートだった細谷将司に対し、田渡凌はリーグ戦並の強度で細谷を守った。好ディフェンスを見せたが、結果的にファウルとなり田渡は飛び跳ねて悔しがった。
アイソレーションから張本にローポストでの1対1を挑まれた田中大貴も、身体を張って真剣に守り、さらにはトリプルチームで張本のターンオーバーを誘った。
そして、折茂と富樫のマッチアップでは、普段の試合では見られない背中でゴールへ押し込む折茂のプレーに、富樫はファウルをコールされた。富樫は「ファウルではない」といわんばかりに両手を広げたが、折茂も「まだまだ甘い」と人差し指を左右に振った。
MVPの折茂「すべての人たちに感謝申し上げたい」
最終クォーターに入ると、ガードナーが圧倒的な個の力を見せ、B.WHITEが2桁のリードを奪った。
だが、なんとしても折茂にMVPをもたらしたいB.BLACKはここから勝利の執念を見せた。
折茂が自ら3ポイントシュートを沈めると、勢いに乗ったチームはロシター、竹内譲次、ジェフ・ギブスも3ポイントシュートで続いた。そして、残り3分45秒、田渡の3ポイントシュートで111-109とついに逆転した。
富樫の4点プレーで肉薄されるも、残り47秒に3度のオフェンスリバウンドを得点に繋げ、6点差にしたところでB.BLACKが勝利を確実なものにした。
そして残り1秒、ラストポゼッションで折茂にボールが渡り、3ポイントシュートを狙うが、これが無情にもエアボールとなり、オールスターゲームは幕を閉じた。
SNS投票の結果、MVPに選出された折茂は「MVP を獲らないといけないというプレッシャーは、正直ありました。ファン投票 1位で出場させてもらったのもファンの方々のお陰ですし、こうしてMVPを獲れたのも同じように応援してくれている皆さんのお陰なので、本当に最後にいい花道を頂いたなという感謝の気持ちでしかないです。入場の時の大声援はうれしかったですね。こういう大きな舞台に立たせてもらって、その声援にしっかりと応えようと思いました。北海道に13年居ますが、これ以上の喜びはない中で試合をさせてもらって、まだまだシーズンは残っていますが、寂しい気持ちと嬉しい気持ちが半々の状態です。賞金に関しては公約として掲げているのですが、今日選手たち楽しく食事をしながら全て使おうと決めています」と、よろこびのコメントをした。
そして、Bリーグオールスターゲーム2020in北海道は折茂の以下の言葉で締めくくられた。
「今回北海道でオールスターが開催されたこと非常にうれしく思っていますし、僕自身もこの舞台に立てたこと、MVPをもらえたことをすべての人たちに感謝申し上げたいと思います。Bリーグはまだまだ続いていきます。若い選手がBリーグが引っ張ってくれて、今後はもっともっと良いモノをお届けできるよう精一杯頑張っていきたいと思うので、皆さん各クラブを応援してあげてください。今度はコートの中ではなく外でバスケットを見る人間なので、外から応援していきたいと思うので皆さんよろしくお願いします」
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